生家で虐げられた令嬢は嫁ぎ先で溺愛スローライフを送ります
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皇宮へは皇都辺境伯邸から四頭立ての馬車で移動となった。
初めて見る馬車だが、クロムス様とお義父様が乗ってもゆとりのあるつくりなので広さが取られたものだとわかる。
「さて、そろそろ皇宮へ着くぞ」
そんなお義父様の言葉に、私は馬車の窓から外を見て皇宮の大きさに改めて大きな息をつく。
「やはり皇宮は大きいですね」
長く続いたラザシュタイン皇国なので、その皇宮も大きく増築を繰り返し広大な敷地に本宮と内宮に外宮に離れとその建物の数は十数棟になり、皇宮騎士団の訓練宿営地や管理の仕事場の外宮に皇族の住まう内宮があり、謁見等の接遇や式典は本宮で行われる。
今回はその関係で本宮へ向かう予定だ。
現在馬車は外宮の門を通り、本宮へ向かっている。
本宮は皇族の執務室や式典用の部屋、夜会や舞踏会をする大きなホール、謁見の間などの設備があるとのこと。
今回は謁見に、愛し子誕生の式典のためすべて本宮で執り行うとのことで通達が来ていた。
お義父様もお義母様もクロムス様も居てくれるし、五大精霊も付いててくれるので安心だわ。
たどり着いた本宮は、皇宮のなかで一番大きく煌びやかな建物だった。
「精霊の愛し子様と、婚約者のアイラザルド辺境伯、並びに前アイラザルド辺境伯クロイスト様、並びにソフィア夫人」
その声掛けの門衛、クロムス様とクロイスト様が一言告げた。
「精霊の愛し子様はすでにクロムスと結婚してアイラザルド辺境伯夫人だ」
「そう、シエラ・アイラザルド。私の妻だよ」
その声に、門衛はごほん、と一つ咳ばらいをすると言葉を言い直した。
「精霊の愛し子様のシエラ・アイラザルド辺境伯夫人にアイラザルド辺境伯、前アイラザルド辺境伯クロイスト様、夫人ソフィア様のご到着です」
しかし、ここで風の大精霊から一言届いた。
『あら、いやだ。シエラの姉が応接間にいるわよ?とりあえず部屋から出れないようにしておくわね』
あんなに皇宮内に入れないでほしいと伝えていたのにも関わらず、皇帝は皇都衰退させたいのかな?
精霊や妖精に隠し事もごまかしも効かないのにね……。
私は深いため息をつきつつ、案内の侍従と護衛騎士に囲まれつつ謁見の間へと向かうのだった。
「シエラ、なにかあったのか?」
クロムス様の問いかけに私は、答えることにした。
「呼ばないでと言っていた人物をすでに応接間に招いたようです。精霊たちが応接間を封鎖したので出入りは既にできないようですが」
私とクロムス様の小声の会話は前を歩くお義父様やお義母様には聞こえたようで、お義父様が小声で返された。
「そりゃ今後皇宮に来ない、いい口実になるなぁ。よかったな、シエラ」
えぇ、どうやら皇都衰退は免れないレベルにダメダメみたいです。
大司祭長様の苦言も通じないなんて、本当に衰退したいようなので私も精霊さんもきっと遠慮はしないと思います。
初めて見る馬車だが、クロムス様とお義父様が乗ってもゆとりのあるつくりなので広さが取られたものだとわかる。
「さて、そろそろ皇宮へ着くぞ」
そんなお義父様の言葉に、私は馬車の窓から外を見て皇宮の大きさに改めて大きな息をつく。
「やはり皇宮は大きいですね」
長く続いたラザシュタイン皇国なので、その皇宮も大きく増築を繰り返し広大な敷地に本宮と内宮に外宮に離れとその建物の数は十数棟になり、皇宮騎士団の訓練宿営地や管理の仕事場の外宮に皇族の住まう内宮があり、謁見等の接遇や式典は本宮で行われる。
今回はその関係で本宮へ向かう予定だ。
現在馬車は外宮の門を通り、本宮へ向かっている。
本宮は皇族の執務室や式典用の部屋、夜会や舞踏会をする大きなホール、謁見の間などの設備があるとのこと。
今回は謁見に、愛し子誕生の式典のためすべて本宮で執り行うとのことで通達が来ていた。
お義父様もお義母様もクロムス様も居てくれるし、五大精霊も付いててくれるので安心だわ。
たどり着いた本宮は、皇宮のなかで一番大きく煌びやかな建物だった。
「精霊の愛し子様と、婚約者のアイラザルド辺境伯、並びに前アイラザルド辺境伯クロイスト様、並びにソフィア夫人」
その声掛けの門衛、クロムス様とクロイスト様が一言告げた。
「精霊の愛し子様はすでにクロムスと結婚してアイラザルド辺境伯夫人だ」
「そう、シエラ・アイラザルド。私の妻だよ」
その声に、門衛はごほん、と一つ咳ばらいをすると言葉を言い直した。
「精霊の愛し子様のシエラ・アイラザルド辺境伯夫人にアイラザルド辺境伯、前アイラザルド辺境伯クロイスト様、夫人ソフィア様のご到着です」
しかし、ここで風の大精霊から一言届いた。
『あら、いやだ。シエラの姉が応接間にいるわよ?とりあえず部屋から出れないようにしておくわね』
あんなに皇宮内に入れないでほしいと伝えていたのにも関わらず、皇帝は皇都衰退させたいのかな?
精霊や妖精に隠し事もごまかしも効かないのにね……。
私は深いため息をつきつつ、案内の侍従と護衛騎士に囲まれつつ謁見の間へと向かうのだった。
「シエラ、なにかあったのか?」
クロムス様の問いかけに私は、答えることにした。
「呼ばないでと言っていた人物をすでに応接間に招いたようです。精霊たちが応接間を封鎖したので出入りは既にできないようですが」
私とクロムス様の小声の会話は前を歩くお義父様やお義母様には聞こえたようで、お義父様が小声で返された。
「そりゃ今後皇宮に来ない、いい口実になるなぁ。よかったな、シエラ」
えぇ、どうやら皇都衰退は免れないレベルにダメダメみたいです。
大司祭長様の苦言も通じないなんて、本当に衰退したいようなので私も精霊さんもきっと遠慮はしないと思います。