生家で虐げられた令嬢は嫁ぎ先で溺愛スローライフを送ります
36
皇妃殿下もお義父様の言葉にようやく、ことの重大性が理解できたらしい。
お姉様を招き入れたのはどうやら皇妃殿下の様子。
宰相の奥様である公爵夫人から、嫁が愛し子である妹に会いたがっていると話を聞いて招いてしまったらしい。
私が招かないでほしいと言ったことに関しては、姉妹なのだからと思った様子。
それを見聞きしていた風の精霊は、普段は穏やかな気質なのにかなり怒っている。
それこそ私が実家から離れたことで、離れの庭こそ無事なはずだが本邸の自慢の庭園はきっと見るも無残な状態に変わったはずである。
「皇妃様は、フェザーライト侯爵家の自慢の庭についてはどうなったか聞いていないですか?」
私はおもむろに問いかけた。
私の想像通りなら、きっと貴族界隈で話題になっているはず。
家の中ならともかく、庭は隠せないものね。
「それは、確か三か月ほど前に離れの側以外の植物は綺麗に枯れてしまい、新しく花を植えても育たずすぐに枯れてしまい華やかさが消えてしまったと……」
話しながらも、皇妃殿下はそれで気づくことができたらしい。
「あなたが、アイラザルド辺境伯領へ旅立ったころと同じくして……」
私がいたから皇都のほかの屋敷と違い、フェザーライト侯爵家の庭には花が綺麗に咲き誇っていたのだ。
私が自分はそこでの茶会に参加できなくても、花たちを眺めるのが好きだったから。
「ようやくお気づきで。離れが無事で、本邸の庭に花が咲かない理由は愛し子様との関係性の差ということです。つまり、それは国にも反映されますし皇宮とて例外ではありません。お分かりいただけましたか?」
お義父様の問いかけに顔色悪く頷く皇妃殿下。
そこに、新たな人物が登場する。
「父上、母上。精霊の愛し子様はおいでになりましたか?」
クロムス様と同じくらいの年代の男性で、細身の綺麗な見た目と服を着た皇太子殿下だろう人物。
「キースディルド殿下、お久しぶりですね。息災なようでなにより」
クロムス様が、両陛下に声をかけた人物に挨拶している。
キースディルド殿下は皇太子殿下で、確か二十三歳で国内の公爵令嬢と婚約中で来年結婚のはずだ。
「クロムスも元気そうでよかったよ。お隣の女性が愛し子様かな?」
そう声に出しつつ私の前に来た殿下は、紳士の礼で挨拶すると丁寧な挨拶をしてくれる。
「初めまして。ラザシュタイン皇国の第一皇子キースディルドです。アイラザルド辺境伯夫人、シエラ様でお間違いないでしょうか?」
そんな丁寧な声掛けに私は頷きつつも、軽いカーテシーで答えた。
「はい。私がアイラザルド辺境伯の妻シエラでございます」
答えると、そのまま丁寧な話し方と態度で殿下は話してくれる。
「あぁ、愛し子様は三か月前に婚約から辺境伯領に移ったと聞いています。まだ落ち着かないさなかに皇都までお呼び立てして申し訳ありませんでした。父と母は現在の皇都についても危機感がなく、愛し子様についても全然文献等も読まない人だったので……」
大変、申し訳なさそうな皇太子殿下。
子どもが親のフォローをするってどうなのよと思わなくもないけれど。
反面教師としては成功なのか?
いや、やっぱり国のトップはちゃんと国に関わることは把握してなきゃダメでしょと脳内でせわしない一人突っ込み劇場をしていたので、表情がややお疲れになってしまったのは致し方ないと思う。
お姉様を招き入れたのはどうやら皇妃殿下の様子。
宰相の奥様である公爵夫人から、嫁が愛し子である妹に会いたがっていると話を聞いて招いてしまったらしい。
私が招かないでほしいと言ったことに関しては、姉妹なのだからと思った様子。
それを見聞きしていた風の精霊は、普段は穏やかな気質なのにかなり怒っている。
それこそ私が実家から離れたことで、離れの庭こそ無事なはずだが本邸の自慢の庭園はきっと見るも無残な状態に変わったはずである。
「皇妃様は、フェザーライト侯爵家の自慢の庭についてはどうなったか聞いていないですか?」
私はおもむろに問いかけた。
私の想像通りなら、きっと貴族界隈で話題になっているはず。
家の中ならともかく、庭は隠せないものね。
「それは、確か三か月ほど前に離れの側以外の植物は綺麗に枯れてしまい、新しく花を植えても育たずすぐに枯れてしまい華やかさが消えてしまったと……」
話しながらも、皇妃殿下はそれで気づくことができたらしい。
「あなたが、アイラザルド辺境伯領へ旅立ったころと同じくして……」
私がいたから皇都のほかの屋敷と違い、フェザーライト侯爵家の庭には花が綺麗に咲き誇っていたのだ。
私が自分はそこでの茶会に参加できなくても、花たちを眺めるのが好きだったから。
「ようやくお気づきで。離れが無事で、本邸の庭に花が咲かない理由は愛し子様との関係性の差ということです。つまり、それは国にも反映されますし皇宮とて例外ではありません。お分かりいただけましたか?」
お義父様の問いかけに顔色悪く頷く皇妃殿下。
そこに、新たな人物が登場する。
「父上、母上。精霊の愛し子様はおいでになりましたか?」
クロムス様と同じくらいの年代の男性で、細身の綺麗な見た目と服を着た皇太子殿下だろう人物。
「キースディルド殿下、お久しぶりですね。息災なようでなにより」
クロムス様が、両陛下に声をかけた人物に挨拶している。
キースディルド殿下は皇太子殿下で、確か二十三歳で国内の公爵令嬢と婚約中で来年結婚のはずだ。
「クロムスも元気そうでよかったよ。お隣の女性が愛し子様かな?」
そう声に出しつつ私の前に来た殿下は、紳士の礼で挨拶すると丁寧な挨拶をしてくれる。
「初めまして。ラザシュタイン皇国の第一皇子キースディルドです。アイラザルド辺境伯夫人、シエラ様でお間違いないでしょうか?」
そんな丁寧な声掛けに私は頷きつつも、軽いカーテシーで答えた。
「はい。私がアイラザルド辺境伯の妻シエラでございます」
答えると、そのまま丁寧な話し方と態度で殿下は話してくれる。
「あぁ、愛し子様は三か月前に婚約から辺境伯領に移ったと聞いています。まだ落ち着かないさなかに皇都までお呼び立てして申し訳ありませんでした。父と母は現在の皇都についても危機感がなく、愛し子様についても全然文献等も読まない人だったので……」
大変、申し訳なさそうな皇太子殿下。
子どもが親のフォローをするってどうなのよと思わなくもないけれど。
反面教師としては成功なのか?
いや、やっぱり国のトップはちゃんと国に関わることは把握してなきゃダメでしょと脳内でせわしない一人突っ込み劇場をしていたので、表情がややお疲れになってしまったのは致し方ないと思う。