生家で虐げられた令嬢は嫁ぎ先で溺愛スローライフを送ります
38
私はここに来る前にもみんなに素直に言えばいいと伝えられていたので、素直に希望を言葉にする。
「アイラザルド辺境伯領は、自然豊かでとても居心地がいいです。聖獣と旦那様であるクロムス様と辺境伯領でのびのび過ごさせていただけるのが幸せです」
私の答えに、皇太子殿下はそのように取り計らいましょうとお約束してくれた。
「愛し子様の幸せがこの国への恩恵に繋がるのです。シエラ夫人には素直にやりたいことをして、好きな場所で過ごしていただくのが一番ですからね」
皇太子殿下の言葉に風の大精霊はようやく落ち着き、わかる子もいて良かったわとつぶやいた。
皇太子殿下との話が付いたところで、陛下は少しだけ伺うように私に聞いてきた。
「皇都にはあまりい思い出はないかもしれないが、本当にシエラ夫人が気が向いた時で構わないので訪問してくれると嬉しい」
無理強いはいけないと学んだらしい陛下の言葉に、そこも素直に言葉を返すことにした。
「そうですね。次回皇宮へ登城の時には聖獣も一緒に来てもよろしければ。大きなシルバーフェンリルの亜種なんですけれど。今日は騒動になるのでお留守番しているんです」
シルバーフェンリルの亜種のところで近衛騎士や侍従がどよめいたけれど、文献を読んでいた皇太子殿下はあまり驚いていなかった。
「聖獣様が愛し子様と共に過ごしていたのは、どの愛し子様でもあったことなので大丈夫ですよ。シルバーフェンリルの亜種の聖獣は初めてですけれど。こちらも興味がありますので是非次回と言わず、今呼んでいただいても構いませんよ」
いやいや、ここにリルを呼んだらパニックになるので遠慮します。
『あ、愛し子。ウィンガルム様、待つの嫌になったみたいで来ちゃいそう』
そんな声掛けをしてきたのは、土の大精霊。
「ここの会話はリルや精霊王様には筒抜けだったみたいなので、間もなくシルバーフェンリルの亜種の聖獣がこちらに来ます」
私の言葉に、お義父様やお義母様はやっぱりねってお顔をしているし、クロムス様は深いため息をついたのだった。
確かにリル、お留守番不服そうだったものね……。
ウィンガルム様は何かあればすぐ来ると言っていたし……。
止めようがなかったのかもしれない。
部屋の近衛騎士が、すぐに伝令を出し皇宮へ接近する大型のシルバーフェンリルには手出し無用というのを一気に周知するためにあちこちが慌てだしてしまった。
ご迷惑おかけしますと、思わず頭を下げる私に皇太子殿下は苦笑しつつ言った。
「文献によると、歴代の愛し子も聖獣には好かれてて基本は一緒だったらしいから。今後は常に一緒という認識にするから大丈夫だよ」
では、祝典は夕方からだから聖獣様が来たらサロンに移動しましょうという話が付いたところで、リルにしっかりウィンガルム様が話せる状態で皇宮へ飛んできたのを迎え入れてもらうのだった。
「アイラザルド辺境伯領は、自然豊かでとても居心地がいいです。聖獣と旦那様であるクロムス様と辺境伯領でのびのび過ごさせていただけるのが幸せです」
私の答えに、皇太子殿下はそのように取り計らいましょうとお約束してくれた。
「愛し子様の幸せがこの国への恩恵に繋がるのです。シエラ夫人には素直にやりたいことをして、好きな場所で過ごしていただくのが一番ですからね」
皇太子殿下の言葉に風の大精霊はようやく落ち着き、わかる子もいて良かったわとつぶやいた。
皇太子殿下との話が付いたところで、陛下は少しだけ伺うように私に聞いてきた。
「皇都にはあまりい思い出はないかもしれないが、本当にシエラ夫人が気が向いた時で構わないので訪問してくれると嬉しい」
無理強いはいけないと学んだらしい陛下の言葉に、そこも素直に言葉を返すことにした。
「そうですね。次回皇宮へ登城の時には聖獣も一緒に来てもよろしければ。大きなシルバーフェンリルの亜種なんですけれど。今日は騒動になるのでお留守番しているんです」
シルバーフェンリルの亜種のところで近衛騎士や侍従がどよめいたけれど、文献を読んでいた皇太子殿下はあまり驚いていなかった。
「聖獣様が愛し子様と共に過ごしていたのは、どの愛し子様でもあったことなので大丈夫ですよ。シルバーフェンリルの亜種の聖獣は初めてですけれど。こちらも興味がありますので是非次回と言わず、今呼んでいただいても構いませんよ」
いやいや、ここにリルを呼んだらパニックになるので遠慮します。
『あ、愛し子。ウィンガルム様、待つの嫌になったみたいで来ちゃいそう』
そんな声掛けをしてきたのは、土の大精霊。
「ここの会話はリルや精霊王様には筒抜けだったみたいなので、間もなくシルバーフェンリルの亜種の聖獣がこちらに来ます」
私の言葉に、お義父様やお義母様はやっぱりねってお顔をしているし、クロムス様は深いため息をついたのだった。
確かにリル、お留守番不服そうだったものね……。
ウィンガルム様は何かあればすぐ来ると言っていたし……。
止めようがなかったのかもしれない。
部屋の近衛騎士が、すぐに伝令を出し皇宮へ接近する大型のシルバーフェンリルには手出し無用というのを一気に周知するためにあちこちが慌てだしてしまった。
ご迷惑おかけしますと、思わず頭を下げる私に皇太子殿下は苦笑しつつ言った。
「文献によると、歴代の愛し子も聖獣には好かれてて基本は一緒だったらしいから。今後は常に一緒という認識にするから大丈夫だよ」
では、祝典は夕方からだから聖獣様が来たらサロンに移動しましょうという話が付いたところで、リルにしっかりウィンガルム様が話せる状態で皇宮へ飛んできたのを迎え入れてもらうのだった。