生家で虐げられた令嬢は嫁ぎ先で溺愛スローライフを送ります
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式典会場となった大広間は、こういった催しのための広間なのでかなり広い。
それでいて豪華なシャンデリアがあり、キラキラと光を反射した明るい空間が広がっていた。
「すごい広さですね。今日はどれくらいの人数がいらっしゃるんでしょう?」
思わず広間を見ながら、呟いていると隣に来てくれたソフィア様が、ざっくりとした話をしてくれた。
「この広さにこの招待客だと、国内の貴族は子爵まで全て招待されているものだと思うわ」
そんな風に教えてくれた。
だから、お兄様はもちろんお義姉様のご実家の伯爵家も会場にいらっしゃると思う。
「さぁ、皆さんへのご挨拶だね。行こうか、シエラ」
「はい、旦那様」
私はクロムス様にエスコートされて、二階通路から入って伸びた螺旋階段をクロムス様のエスコートで降りる。
降りはじめと共に、私たちの名前が呼ばれる。
「本日、精霊の愛し子たるアイラザルド辺境伯夫人シエラ様、並びにアイラザルド辺境伯クロムス様、前アイラザルド辺境拍クロイスト様、前辺境伯夫人ソフィア様のおなりです」
侍従の案内とともに、階段を下りた私たちはそのまま、人がよけた中央の道を歩み、皇帝陛下家族にご挨拶する話を始めようとしたところで、事態は又も急変する。
皇帝陛下のとこへ進もうと動き出した私たちの前にあからさまにある、足。
それは人のもののようだが、どういうことなのだろうか。
精霊の愛し子に、いやがらせしようというのが見えているのかすでに隣のウィンガルム様はこの足の主をどうにかしようと精霊術が展開され始めている。
ここで、精霊術を精霊王が放ったら威力がすさまじいのでは?
「ウィンガルム様、ダメ!」
私が思わず声をかけるとウィンガルム様が返事をする。
『いや、愛し子誕生を祝う式典で愛し子に危害を加えようとするような人物を招くのは良くないだろう?』
クロムス様にエスコートされつつ、反対隣を歩いていたウィンガルム様がひかけようとした足に気づいての精霊術展開でした。
『悪い子には仕置きも必要じゃろう?あぁ、我がやるより早く風のが動いたようじゃの。足を出したお嬢さんは今後一切魔法は行使できんぞ。精霊が力を貸さぬからな』とこともなげに言い放った。
魔法が使えないって、結構大変なんじゃなかった?
貴族の大半は使えるって聞いたけれど。
お姉さまも継母も、結構魔法使っていたと記憶している。
頭から水かぶせたり、風で階段から落としたりは結構常套手段だったなと思い出す。
「ウィンガルム様、とりあえず両陛下にご挨拶に行かないと」
『そうだったのう。では、行くとするか』
足はよけたら、この会話を聞いた令嬢は固まったまま動かなくなってしまった。
魔法が使えないのは能力がない証拠とか、お姉様や継母様にさんざん言われたからね。
大変だろうと思うけれど、下手なことをした自業自得だから魔法が使えない弊害は自分で払いましょう。
それでいて豪華なシャンデリアがあり、キラキラと光を反射した明るい空間が広がっていた。
「すごい広さですね。今日はどれくらいの人数がいらっしゃるんでしょう?」
思わず広間を見ながら、呟いていると隣に来てくれたソフィア様が、ざっくりとした話をしてくれた。
「この広さにこの招待客だと、国内の貴族は子爵まで全て招待されているものだと思うわ」
そんな風に教えてくれた。
だから、お兄様はもちろんお義姉様のご実家の伯爵家も会場にいらっしゃると思う。
「さぁ、皆さんへのご挨拶だね。行こうか、シエラ」
「はい、旦那様」
私はクロムス様にエスコートされて、二階通路から入って伸びた螺旋階段をクロムス様のエスコートで降りる。
降りはじめと共に、私たちの名前が呼ばれる。
「本日、精霊の愛し子たるアイラザルド辺境伯夫人シエラ様、並びにアイラザルド辺境伯クロムス様、前アイラザルド辺境拍クロイスト様、前辺境伯夫人ソフィア様のおなりです」
侍従の案内とともに、階段を下りた私たちはそのまま、人がよけた中央の道を歩み、皇帝陛下家族にご挨拶する話を始めようとしたところで、事態は又も急変する。
皇帝陛下のとこへ進もうと動き出した私たちの前にあからさまにある、足。
それは人のもののようだが、どういうことなのだろうか。
精霊の愛し子に、いやがらせしようというのが見えているのかすでに隣のウィンガルム様はこの足の主をどうにかしようと精霊術が展開され始めている。
ここで、精霊術を精霊王が放ったら威力がすさまじいのでは?
「ウィンガルム様、ダメ!」
私が思わず声をかけるとウィンガルム様が返事をする。
『いや、愛し子誕生を祝う式典で愛し子に危害を加えようとするような人物を招くのは良くないだろう?』
クロムス様にエスコートされつつ、反対隣を歩いていたウィンガルム様がひかけようとした足に気づいての精霊術展開でした。
『悪い子には仕置きも必要じゃろう?あぁ、我がやるより早く風のが動いたようじゃの。足を出したお嬢さんは今後一切魔法は行使できんぞ。精霊が力を貸さぬからな』とこともなげに言い放った。
魔法が使えないって、結構大変なんじゃなかった?
貴族の大半は使えるって聞いたけれど。
お姉さまも継母も、結構魔法使っていたと記憶している。
頭から水かぶせたり、風で階段から落としたりは結構常套手段だったなと思い出す。
「ウィンガルム様、とりあえず両陛下にご挨拶に行かないと」
『そうだったのう。では、行くとするか』
足はよけたら、この会話を聞いた令嬢は固まったまま動かなくなってしまった。
魔法が使えないのは能力がない証拠とか、お姉様や継母様にさんざん言われたからね。
大変だろうと思うけれど、下手なことをした自業自得だから魔法が使えない弊害は自分で払いましょう。