生家で虐げられた令嬢は嫁ぎ先で溺愛スローライフを送ります
49
皇都の貴族御用達のお店が並ぶ商業区に着くと、馬車を降りてまずはドレスのお店にさらっと入っていくお母様。
「まぁ、前アイラザルド辺境伯夫人。いらっしゃいませ。お久しぶりですが、お元気そうですわね」
お店のマダムが楽し気にお母様に声をかけてくる。
「お久しぶりね、シェザリーヌ。今日はね、私の可愛い娘のドレスを見に来たのよ。もう、どんどん若い子向けの可愛いドレスを持ってきてほしいわ」
お母様の言葉に、あら?って顔をしつつ私を見るとあぁ!と納得した表情をされる。
「そういえば、現辺境伯様のご子息がご結婚なさったんでしたね。おめでとうございます。こちらのレディが辺境伯夫人かしら?」
「初めまして、マダムシェザリーヌ。シエラ・アイラザルドと申します」
軽くドレスをつまみ挨拶すると、にこやかにマダムは応対してくれる。
「初めまして、シエラ夫人。ドレスサロン、ル・ロレッタの主のシェザリーヌと申します。ドレスとのことですが、シエラ夫人はそんなものが好みですの?」
マダムの問いかけに、私は少し考える。
「動きややすくて軽いものが良いなと思います。重いドレスには慣れてなくて、動きづらくてすぐ疲れてしまうの」
私の言葉に、マダムはにこやかに言う。
「そのご令嬢も、重いドレスは苦手なものですわ。皇宮に行くとき以外は最近は軽いドレスが主流になってきていますの。シエラ夫人にも、そのシリーズからお持ちしますわ」
そういうと、控えていた従業員へ指示を出すマダムはその後私たちを試着室付きの別室へと案内してくれた。
「今日は、思う存分シエラ夫人のドレス選びをするつもりでしょう?この部屋を使うといいわ」
「さすが、シェザリーヌ。よくわかっているわね。今回たっぷりシエラに似合うドレスを買うつもりよ」
お母様とシェザリーヌさんはなんだかすごく仲良さそうに会話している。
そんな関係なんだろう?
私の疑問な顔に、クロイスト様はにこにこと微笑んで教えてくれた。
「このお店の主のシェザリーヌはソフィアの学園時代からの友人なんだよ。シェザリーヌは職業婦人だけれど、ミジェナ伯爵家の伯爵夫人でもあるんだ」
まさかの伯爵夫人、自らお店に出て接客までしていらっしゃるのはすごいと思う。
「私は、女の子や婦人たちが美しくなるのを手伝うこの仕事が大好きなのよ。主人も理解してくれているから、私は幸せ者ね」
ニコッとウィンクして言うシェザリーヌさんはお茶目で、お母様とはまた違った優しく楽しい女性だなと思ったのだった。
「まぁ、前アイラザルド辺境伯夫人。いらっしゃいませ。お久しぶりですが、お元気そうですわね」
お店のマダムが楽し気にお母様に声をかけてくる。
「お久しぶりね、シェザリーヌ。今日はね、私の可愛い娘のドレスを見に来たのよ。もう、どんどん若い子向けの可愛いドレスを持ってきてほしいわ」
お母様の言葉に、あら?って顔をしつつ私を見るとあぁ!と納得した表情をされる。
「そういえば、現辺境伯様のご子息がご結婚なさったんでしたね。おめでとうございます。こちらのレディが辺境伯夫人かしら?」
「初めまして、マダムシェザリーヌ。シエラ・アイラザルドと申します」
軽くドレスをつまみ挨拶すると、にこやかにマダムは応対してくれる。
「初めまして、シエラ夫人。ドレスサロン、ル・ロレッタの主のシェザリーヌと申します。ドレスとのことですが、シエラ夫人はそんなものが好みですの?」
マダムの問いかけに、私は少し考える。
「動きややすくて軽いものが良いなと思います。重いドレスには慣れてなくて、動きづらくてすぐ疲れてしまうの」
私の言葉に、マダムはにこやかに言う。
「そのご令嬢も、重いドレスは苦手なものですわ。皇宮に行くとき以外は最近は軽いドレスが主流になってきていますの。シエラ夫人にも、そのシリーズからお持ちしますわ」
そういうと、控えていた従業員へ指示を出すマダムはその後私たちを試着室付きの別室へと案内してくれた。
「今日は、思う存分シエラ夫人のドレス選びをするつもりでしょう?この部屋を使うといいわ」
「さすが、シェザリーヌ。よくわかっているわね。今回たっぷりシエラに似合うドレスを買うつもりよ」
お母様とシェザリーヌさんはなんだかすごく仲良さそうに会話している。
そんな関係なんだろう?
私の疑問な顔に、クロイスト様はにこにこと微笑んで教えてくれた。
「このお店の主のシェザリーヌはソフィアの学園時代からの友人なんだよ。シェザリーヌは職業婦人だけれど、ミジェナ伯爵家の伯爵夫人でもあるんだ」
まさかの伯爵夫人、自らお店に出て接客までしていらっしゃるのはすごいと思う。
「私は、女の子や婦人たちが美しくなるのを手伝うこの仕事が大好きなのよ。主人も理解してくれているから、私は幸せ者ね」
ニコッとウィンクして言うシェザリーヌさんはお茶目で、お母様とはまた違った優しく楽しい女性だなと思ったのだった。