生家で虐げられた令嬢は嫁ぎ先で溺愛スローライフを送ります
56
「妖精や精霊の治療は愛し子にしかできないが、二百年ぶりだからけが人も多くて大変だろう?」
クロムス様の言葉にウィンガルム様も同じように言う。
『そうだな、愛し子が来るまでは我も出来る範囲で助けていた。だが、治療においては愛し子の方が我より特化しているから子らが集まってしまうのだ。負担になっていなければいいのだが』
ただ、どの子も最初は遠慮がちに、直すと嬉しそうにお礼と軽い祝福をかけて帰っていくので私はあまり疲れていないのよね。
見てるとずっと治してるから、疲れていると思われたみたいだけれど。
「意外とね、疲れてないの。治した子がみんな帰りに軽い祝福をくれるんだけれど、それのおかげかな?」
私の言葉に、ウィンガルム様が目を細めて私を見る。
『確かに、ものすごい勢いで小さなものが重ね掛けされているな。これなら疲れはなさそうだが。もはや重ね掛けの影響で祝福が特級扱いになっているような……』
なんか、思いがけない単語が聞こえた気がしたけれど聞かなかったことにしていいかな?
だって、勝手に祝福をかけて去っていくのは止めようがないんだもの。
「そもそも、精霊王の祝福を受けている時点で特級扱いなのでは?」
そんなクロムス様の呟きに、ウィンガルム様は顔を横向けてちょっとそ知らぬふりをしている。
「そういえば、ちょっと森の雰囲気も変わってませんかね?」
そんなロイドの声に、クロムス様も頷いて言う。
「少し前の森より精霊が増えたからか空気が澄んでいるし、精霊の気配で清浄化されていると思うんだが」
そんな二人の話に、ウィンガルム様がこともなげに言った。
『シエラが、森に恵みをといって精霊たちがこぞって住み始めたので、ここはほぼ精霊の森扱いだな。領民なら入れるが、ほかの邪な考えの者が森に入れば、森で迷うだろうし領地の外に追い出される仕組みがが出来ているな』
精霊の森、それは聖域と同様の不可侵に近いものになるのだが私が居て、私が望み領民であれば迷わないという特殊な森になってしまったようだ。
しかも、よそ者追い出し機能付き。便利すぎじゃない?
「そんな都合のいい、森になってしまっていいのか?」
クロムス様の言葉に、ウィンガルム様が返事をする。
『愛し子に答えるならば、そんな森も出来てしまうものよ。なにせシエラは歴代最高の愛し子だからな。精霊の森ができてもなにも不思議じゃない。精霊王と大精霊の加護と祝福を持つ愛し子は初めてだからな』
ウィンガルム様の声に答えるように、精霊たちが楽し気に舞いあちこちからやってきては森に帰っていく。
この森が精霊や妖精にとっても過ごしやすく、かつ人にも恵みがあり共生できるならそれが一番いいと思う。
「この森も、一応皇太子殿下に報告しておこう。きっと見に来るだろうな」
「そうですね、皇太子さまの視察に一緒にレイシア様も来られたらいいのですが。きっとここの精霊たちもレイシア様は喜んで迎えてくれると思うので」
クロムス様は私の言葉に頷き、その旨も手紙に書いて伝えると言ってくれた。
クロムス様の言葉にウィンガルム様も同じように言う。
『そうだな、愛し子が来るまでは我も出来る範囲で助けていた。だが、治療においては愛し子の方が我より特化しているから子らが集まってしまうのだ。負担になっていなければいいのだが』
ただ、どの子も最初は遠慮がちに、直すと嬉しそうにお礼と軽い祝福をかけて帰っていくので私はあまり疲れていないのよね。
見てるとずっと治してるから、疲れていると思われたみたいだけれど。
「意外とね、疲れてないの。治した子がみんな帰りに軽い祝福をくれるんだけれど、それのおかげかな?」
私の言葉に、ウィンガルム様が目を細めて私を見る。
『確かに、ものすごい勢いで小さなものが重ね掛けされているな。これなら疲れはなさそうだが。もはや重ね掛けの影響で祝福が特級扱いになっているような……』
なんか、思いがけない単語が聞こえた気がしたけれど聞かなかったことにしていいかな?
だって、勝手に祝福をかけて去っていくのは止めようがないんだもの。
「そもそも、精霊王の祝福を受けている時点で特級扱いなのでは?」
そんなクロムス様の呟きに、ウィンガルム様は顔を横向けてちょっとそ知らぬふりをしている。
「そういえば、ちょっと森の雰囲気も変わってませんかね?」
そんなロイドの声に、クロムス様も頷いて言う。
「少し前の森より精霊が増えたからか空気が澄んでいるし、精霊の気配で清浄化されていると思うんだが」
そんな二人の話に、ウィンガルム様がこともなげに言った。
『シエラが、森に恵みをといって精霊たちがこぞって住み始めたので、ここはほぼ精霊の森扱いだな。領民なら入れるが、ほかの邪な考えの者が森に入れば、森で迷うだろうし領地の外に追い出される仕組みがが出来ているな』
精霊の森、それは聖域と同様の不可侵に近いものになるのだが私が居て、私が望み領民であれば迷わないという特殊な森になってしまったようだ。
しかも、よそ者追い出し機能付き。便利すぎじゃない?
「そんな都合のいい、森になってしまっていいのか?」
クロムス様の言葉に、ウィンガルム様が返事をする。
『愛し子に答えるならば、そんな森も出来てしまうものよ。なにせシエラは歴代最高の愛し子だからな。精霊の森ができてもなにも不思議じゃない。精霊王と大精霊の加護と祝福を持つ愛し子は初めてだからな』
ウィンガルム様の声に答えるように、精霊たちが楽し気に舞いあちこちからやってきては森に帰っていく。
この森が精霊や妖精にとっても過ごしやすく、かつ人にも恵みがあり共生できるならそれが一番いいと思う。
「この森も、一応皇太子殿下に報告しておこう。きっと見に来るだろうな」
「そうですね、皇太子さまの視察に一緒にレイシア様も来られたらいいのですが。きっとここの精霊たちもレイシア様は喜んで迎えてくれると思うので」
クロムス様は私の言葉に頷き、その旨も手紙に書いて伝えると言ってくれた。