どこにもいかないで
小学生の時はまだ友達と呼べる人がいたけれど。
中学生になってからこの二年間で、その友達とも話さなくなり。
新しい友達も作ることは出来ていない。
なんでかな?
同じようなことの繰り返しだなって思ったからかな?
同じような会話。
同じようなケンカ。
同じようないじめ。
男も女も関係ない。
日常は似たようなもので。
この学校という箱に押し込められて。
オレはこの日々が退屈で仕方がない。
退屈な話に面倒な相槌を打つくらいなら、ひとりで黙々と日々を過ごしたっていいかなって。
(別に寂しいと思ったこともないし)
そんなことを考えていたら、教室のおしゃべりの波が引いた。
しんっとするこの空間に何が起きたのか、最初はわからなかった。
「えっ……、あの子誰?」
オレの前の席に座っている女子が隣の席の女子に小声で尋ねている。
教室のドアのところ。
遠慮がちに立っている女子がいる。