処刑回避したい生き残り聖女、侍女としてひっそり生きるはずが最恐王の溺愛が始まりました
これでフローの力も元に戻る。そうすれば国も時間はかかっても復興していくだろう。
「……アメリは本当に巫女姫なのですな」
おそるおそる話しかけてくるのはジャイルズ伯爵だ。
彼の目から見れば、なにもいないところに、話しかけているように見るのだろう。
「……内緒にするのはもう無理でしょうかね」
アメリは苦笑した。あれだけ大々的に公言してしまったのだ。もう素知らぬふりはできないだろう。
「洗脳されていた奴らだけならなんとかなるんだが。少数だがあそこには正気な奴らもいて、アメリの宣言はしっかり聞かれてしまっている」
それでも、とルークは続けた。
「アメリがどうしても嫌だというなら、俺がなんとかごまかそう」
ルークの言葉をありがたく思いながらも、アメリは首を振った。
今の貴族議員たちは、ベリトに騙されたことによって、互いを信じられず疑心暗鬼となっている。
この状態から国をまとめ上げるには、巫女姫の存在が必要だ。
ルークもその素質はあるが、やはり、正真正銘ローズマリーの娘であるアメリがいれば、民の心もまとまりやすいだろう。
ルークの目指す、国の復興や国民たちの安心に繋がるのなら、頑張ってみてもいいかと今は思っている。
「私が巫女姫として存在しているだけでルーク様のお役に立てるなら、頑張ります」
「……アメリ」
「でも、女王とかは絶対にごめんですから! ルーク様は、王様をやめないでくださいね」
「わかった。わかっている。その代わり」
ルークの表情がきゅっと引き締まる。アメリは一瞬ドキリとして構えてしまった。
手を取られ指の付け根にキスをされる。
「俺と結婚してほしい」
アメリは一瞬、息が止まった。もちろん、ルークのことは好きだし、大切にされているとは思っていた。だけど、結婚という話になるとは思っていなかったのだ。
「……や、無理ですって。メイドと公王とかないですから」
「お前は巫女姫だろう」
「だって、私はこれからもルーク様の身の回りのお世話をしたいし」
「公王妃になったってできる。それとも、俺が嫌いか?」
アメリは反射的に首を振った。
「……アメリは本当に巫女姫なのですな」
おそるおそる話しかけてくるのはジャイルズ伯爵だ。
彼の目から見れば、なにもいないところに、話しかけているように見るのだろう。
「……内緒にするのはもう無理でしょうかね」
アメリは苦笑した。あれだけ大々的に公言してしまったのだ。もう素知らぬふりはできないだろう。
「洗脳されていた奴らだけならなんとかなるんだが。少数だがあそこには正気な奴らもいて、アメリの宣言はしっかり聞かれてしまっている」
それでも、とルークは続けた。
「アメリがどうしても嫌だというなら、俺がなんとかごまかそう」
ルークの言葉をありがたく思いながらも、アメリは首を振った。
今の貴族議員たちは、ベリトに騙されたことによって、互いを信じられず疑心暗鬼となっている。
この状態から国をまとめ上げるには、巫女姫の存在が必要だ。
ルークもその素質はあるが、やはり、正真正銘ローズマリーの娘であるアメリがいれば、民の心もまとまりやすいだろう。
ルークの目指す、国の復興や国民たちの安心に繋がるのなら、頑張ってみてもいいかと今は思っている。
「私が巫女姫として存在しているだけでルーク様のお役に立てるなら、頑張ります」
「……アメリ」
「でも、女王とかは絶対にごめんですから! ルーク様は、王様をやめないでくださいね」
「わかった。わかっている。その代わり」
ルークの表情がきゅっと引き締まる。アメリは一瞬ドキリとして構えてしまった。
手を取られ指の付け根にキスをされる。
「俺と結婚してほしい」
アメリは一瞬、息が止まった。もちろん、ルークのことは好きだし、大切にされているとは思っていた。だけど、結婚という話になるとは思っていなかったのだ。
「……や、無理ですって。メイドと公王とかないですから」
「お前は巫女姫だろう」
「だって、私はこれからもルーク様の身の回りのお世話をしたいし」
「公王妃になったってできる。それとも、俺が嫌いか?」
アメリは反射的に首を振った。