【辛口ヒューマンドラマ】雲にのりたい
第7話
時は、6月2日の夕方5時過ぎであった。
ところ変わって、今治市宝来通《しないほうらいどお》りにある農協の本所にて…
農協は、雅俊《まさとし》が勤務している職場である。
(キンコンカンコン…)
終業を知らせるチャイムが鳴った。
従業員さんたちは、帰宅準備を始めた。
ものすごくつらい表情を浮かべている雅俊《まさとし》も帰宅準備を始めた。
なんで家に帰宅するのだ…
めんどくさい…
この時であった。
めんどくさい表情で帰宅準備をしている雅俊《まさとし》のもとに上の人がやって来た。
上の人は、にこやかな表情で雅俊《まさとし》に言うた。
「雅俊《まさとし》さん。」
「はい?」
「ちょっとかまん?」
「なんでしょうか?」
「この前、雅俊《まさとし》さんに入れたハナシだけど…」
「ハナシって、なんですか?」
「だから、日高の支所に勤務している瀧野《たきの》くんのことだよ〜」
「瀧野《たきの》くんがどうかしたのですか?」
「だから、日高の支所の人がなんとかしてあげたいと言うているのだよ〜」
「なんとかしたいと言うけど、瀧野《たきの》くんはまだヒヨコですよ〜」
「分かってるよ〜」
「私は、結婚はまだ早いと言いましたよ!!」
「分かってるよ〜…だけど、瀧野《たきの》くんは戦争で…」
「戦争で親御《おや》きょうだいを亡くした気持ちは分かります!!ですが、瀧野《たきの》くんはまだ24ですよ!!」
「分かってるよ…」
「分かっているのであれば瀧野《たきの》くんに厳しく言うてください!!うちの娘は問題を抱えているのですよ!!長女は理由《わけ》があるからあきらめたけど、次女はサイバンザタになったのですよ!!」
「気持ちはわかるけど…」
「そんなにガールフレンドがほしいのであれば、瀧野《たきの》くん自身が動くべきですよ!!」
「雅俊《まさとし》さん…」
「キンロウ青少年ホームへ行けば働く仲間たちがたくさんいるのですよ!!そこへ行かせたらいいじゃないですか…失礼します!!」
雅俊《まさとし》は、ものすごくイラついた表情で席を立ったあと事務所から出た。
上の人は、にえきらない表情であたりを見渡した。
時は、夜8時過ぎであった。
ところ変わって、山尾《やまお》の家の浴室にて…
浴室にゆかりと小4の私がいた。
この時、雅俊《まさとし》と宏美《ひろみ》とよしみの3人はまだ帰宅していなかった…
宏美《ひろみ》は、失恋したОLさんを元気づけるための飲み会があるのでおそくなると言うた。
よしみは残業だと言うたが、ウソに決まってる…
雅俊《まさとし》は、ムシャクシャしているのでのんで帰ると言うた。
このため、ゆかりと小4の私は山尾《やまお》の家のお風呂に入らせてもらった。
私は、つらそうな表情でゆかりに言うた。
「おねーちゃん。」
「なあに一徳《かずのり》。」
「おねーちゃんは、結婚しないの?」
ゆかりは、つらい表情で言うた。
「しないわよ…男はみんなケダモノだから大キライ!!」
「ケダモノだから…大キライ?」
「そうよ。」
「おねーちゃん。」
「一徳《かずのり》。」
「よしみ義姉《おねー》ちゃんがボウコウ魔の子どもって…本当なの?」
ゆかりは、ものすごくつらい表情で『そうよ。』と答えたあとこう言うた。
「終戦の日…おかーさんとおねーちゃんはチョンジンにいたのよ。」
「チョンジン。」
「うん。」
「おねーちゃんのおとーさんはどうしたの?」
「ラバウル(南方の島)でギョクサイしたのよ。」
「死んだの?」
「うん。」
「なんで?」
私の問いに対して、ゆかりは口を閉ざした。
私はぐすんぐすんと泣き出した。
ゆかりは、つらい表情で私に声をかけた。
「一徳《かずのり》…」
「ぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすん…」
「一徳《かずのり》…」
ゆかりは、ぐすんぐすんと泣いている私をHカップの極爆乳《おおきすぎるおっぱい》に抱きしめた。
「一徳《かずのり》…キュー…キュー…キュー…キュー…」
ゆかりは、ぐすんぐすんと泣いている私を両手でゆっくりと抱きしめながらやさしく声をかけた。
「一徳《かずのり》…アタシ…一徳《かずのり》のママになる…ごめんね一徳《かずのり》…よしよし…よしよし…キュー…キュー…キュー…キュー…」
………
時は、1986年5月31日の夜8時半頃であった。
場所は、私が暮らしているロフト式のマンションにて…
テレビの画面に、長山洋子さんが『雲にのりたい』を歌っている様子が映っていた。
歌を聴いている私は、なみだを流しながら酒をのんだ。
「うううううううううううううううう…」
私は、テーブルに顔を伏せたあと震える声で泣いた。
ものすごくつらい時…
やさしく私に接したのはゆかりだけだった…
養父母《りょうしん》とよしみは…
大キライだった…
………
つらくかなしいことがあったから幸せになろうとは思わないのか…
ふざけるな!!
幸せのテイギが分からないのに幸せなんて言うな!!
私は、怒りをこめながら泣きつづけた。
ところ変わって、今治市宝来通《しないほうらいどお》りにある農協の本所にて…
農協は、雅俊《まさとし》が勤務している職場である。
(キンコンカンコン…)
終業を知らせるチャイムが鳴った。
従業員さんたちは、帰宅準備を始めた。
ものすごくつらい表情を浮かべている雅俊《まさとし》も帰宅準備を始めた。
なんで家に帰宅するのだ…
めんどくさい…
この時であった。
めんどくさい表情で帰宅準備をしている雅俊《まさとし》のもとに上の人がやって来た。
上の人は、にこやかな表情で雅俊《まさとし》に言うた。
「雅俊《まさとし》さん。」
「はい?」
「ちょっとかまん?」
「なんでしょうか?」
「この前、雅俊《まさとし》さんに入れたハナシだけど…」
「ハナシって、なんですか?」
「だから、日高の支所に勤務している瀧野《たきの》くんのことだよ〜」
「瀧野《たきの》くんがどうかしたのですか?」
「だから、日高の支所の人がなんとかしてあげたいと言うているのだよ〜」
「なんとかしたいと言うけど、瀧野《たきの》くんはまだヒヨコですよ〜」
「分かってるよ〜」
「私は、結婚はまだ早いと言いましたよ!!」
「分かってるよ〜…だけど、瀧野《たきの》くんは戦争で…」
「戦争で親御《おや》きょうだいを亡くした気持ちは分かります!!ですが、瀧野《たきの》くんはまだ24ですよ!!」
「分かってるよ…」
「分かっているのであれば瀧野《たきの》くんに厳しく言うてください!!うちの娘は問題を抱えているのですよ!!長女は理由《わけ》があるからあきらめたけど、次女はサイバンザタになったのですよ!!」
「気持ちはわかるけど…」
「そんなにガールフレンドがほしいのであれば、瀧野《たきの》くん自身が動くべきですよ!!」
「雅俊《まさとし》さん…」
「キンロウ青少年ホームへ行けば働く仲間たちがたくさんいるのですよ!!そこへ行かせたらいいじゃないですか…失礼します!!」
雅俊《まさとし》は、ものすごくイラついた表情で席を立ったあと事務所から出た。
上の人は、にえきらない表情であたりを見渡した。
時は、夜8時過ぎであった。
ところ変わって、山尾《やまお》の家の浴室にて…
浴室にゆかりと小4の私がいた。
この時、雅俊《まさとし》と宏美《ひろみ》とよしみの3人はまだ帰宅していなかった…
宏美《ひろみ》は、失恋したОLさんを元気づけるための飲み会があるのでおそくなると言うた。
よしみは残業だと言うたが、ウソに決まってる…
雅俊《まさとし》は、ムシャクシャしているのでのんで帰ると言うた。
このため、ゆかりと小4の私は山尾《やまお》の家のお風呂に入らせてもらった。
私は、つらそうな表情でゆかりに言うた。
「おねーちゃん。」
「なあに一徳《かずのり》。」
「おねーちゃんは、結婚しないの?」
ゆかりは、つらい表情で言うた。
「しないわよ…男はみんなケダモノだから大キライ!!」
「ケダモノだから…大キライ?」
「そうよ。」
「おねーちゃん。」
「一徳《かずのり》。」
「よしみ義姉《おねー》ちゃんがボウコウ魔の子どもって…本当なの?」
ゆかりは、ものすごくつらい表情で『そうよ。』と答えたあとこう言うた。
「終戦の日…おかーさんとおねーちゃんはチョンジンにいたのよ。」
「チョンジン。」
「うん。」
「おねーちゃんのおとーさんはどうしたの?」
「ラバウル(南方の島)でギョクサイしたのよ。」
「死んだの?」
「うん。」
「なんで?」
私の問いに対して、ゆかりは口を閉ざした。
私はぐすんぐすんと泣き出した。
ゆかりは、つらい表情で私に声をかけた。
「一徳《かずのり》…」
「ぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすん…」
「一徳《かずのり》…」
ゆかりは、ぐすんぐすんと泣いている私をHカップの極爆乳《おおきすぎるおっぱい》に抱きしめた。
「一徳《かずのり》…キュー…キュー…キュー…キュー…」
ゆかりは、ぐすんぐすんと泣いている私を両手でゆっくりと抱きしめながらやさしく声をかけた。
「一徳《かずのり》…アタシ…一徳《かずのり》のママになる…ごめんね一徳《かずのり》…よしよし…よしよし…キュー…キュー…キュー…キュー…」
………
時は、1986年5月31日の夜8時半頃であった。
場所は、私が暮らしているロフト式のマンションにて…
テレビの画面に、長山洋子さんが『雲にのりたい』を歌っている様子が映っていた。
歌を聴いている私は、なみだを流しながら酒をのんだ。
「うううううううううううううううう…」
私は、テーブルに顔を伏せたあと震える声で泣いた。
ものすごくつらい時…
やさしく私に接したのはゆかりだけだった…
養父母《りょうしん》とよしみは…
大キライだった…
………
つらくかなしいことがあったから幸せになろうとは思わないのか…
ふざけるな!!
幸せのテイギが分からないのに幸せなんて言うな!!
私は、怒りをこめながら泣きつづけた。