次期当主は初恋妻を一途な独占愛で貫きたい。



「――んー……これとても飲みやすい!」


 注文したお酒は飲みやすくてごくごくと一気にグラスはなくなった。それから度が低いお酒を頼んでおり、目の前にはグラスが三つ。


「花暖、飲み過ぎじゃない?」

「そんなことないよ。ふふ」


 なんだか、気分が良くなってきた。

 ふわふわするけど、まだ飲めそう。それに今日くらいいいよね、婚約破棄されて会社も辞めて……どん底なんだもん。


「ねぇ、花暖。私、もう帰るよ? 一緒に帰えろ」

「大丈夫だよ。もうちょっとここにいるよ」


 ……もう少し飲みたいんだもん。


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