次期当主は初恋妻を一途な独占愛で貫きたい。
来訪者


 訪問者


「……どうぞ、入って」

「お、お邪魔します」


 あれから私は彼に拒否権なしに横抱きにされ、連行された。到着したのは高級住宅街の一軒家で初めて来る場所だ。
 家に入る時は流石に歩いたが、玄関に上がるとそれだけで高級感がある。


「すごい……」

「ありがとう。リビングに行こうか、もう遅いし泊まって」

「ありがとうございます……すみません」


 手洗いうがいだけを済ませてリビングのソファに座ると、彼は手際良くお茶をグラスに入れて持ってきてくれた。


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