なぜか彼氏が2人できちゃいました……。
「美緒の方から、積極的にきてくれるなんて思わなかったな」


彼の綺麗な瞳がキラリと妖艶に輝くと、胸の奥が甘く疼いた。


違う、誤解だ。


私はそんなつもりで近づいたんじゃなくて、ただ驚かせようとして失敗しただけなのに。


「それならもう俺、我慢しないよ」


「え、え、何言って、違うから」


すると、彼の大きな手が私の頬を包み込んだ。


「だっ、駄目だよ」


咄嗟に顔の前に手をやったのは、岳の顔が近づいてきたからだ。


自意識過剰かもしれないけど、流れでキスされるように思った。


一度も経験のない私にだってわかる。


彼が甘く強引に迫ってきてるんだってことが。


身体中が熱くなって恥ずかしくて、どうしたらいいかわからなかった。


だって、彼の雰囲気がいつもと全然違うから。


「俺のこと、嫌い?」

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