なぜか彼氏が2人できちゃいました……。
「うん、だって私達、ともだ」


友達って言おうとしたら、彼の人差し指が唇に触れてドキッとした。


「……っ」


「その言葉、嫌いなんだよな」


「……」


色気を帯びた瞳で見つめられて、足元がガクガクする。


「2度と友達なんて言わせない」


今日の岳は少しおかしい。


だって、表情がクルクル変わるんだもん。


今は不貞腐れた子供みたいな顔をしてる。


慣れた手つきで私の顎を上向かせる彼の指。


「このことは誰にも内緒だよ」


「……」


彼の顔がまた近づいてきた。


なぜだろう、今度は遮ることも忘れてぼんやり見惚れてしまう。


普通にカッコいいなって思っていたけどこんなに惹きつけられたのは今日が初めてかもしれない。


「美緒、目閉じて」


言われるままに、私は黙って目を閉じていた。


唇が触れ合うと、意識が飛んでしまいそうだった。
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