なぜか彼氏が2人できちゃいました……。
そっか、さっきから顔が熱いと思ったら赤くなっていたのか。 


私だけがこんなに意識していて、恥ずかしいしなんだか悔しい。


「ん、なんでもない」


机の上に突っ伏して顔を隠す。


「熱があるのかもしれない。そうか、だから変だったのか」


「……」


「保健室、連れて行ってやろうか?」


気遣うような声が降ってきたけど、なんだかイライラした。


人の気も知らないで。


ううん、もしかしたら知ってるくせにとぼけているの?


我慢できなくて、とうとうこんなことを言ってしまう。


「岳は昨日、どうしてあんなことしたの?」


「……」


顔を伏せていたから、彼がどんな表情をしているのかわからない。


沈黙が1分ほど続いたので、さすがに動揺しているのかもしれない。


そう思って顔を上げると、彼は神妙な顔でスマホをいじっている。


「ちょっと人の話聞いてる?」


「昨日……」


彼はスマホを打つ手を止めて私を見た。

< 16 / 88 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop