なぜか彼氏が2人できちゃいました……。

「俺……おまえに何かしたか?」


気まずそうに尋ねてきたから呆れて気が抜けた。


なにそれ、やっばりとぼけてるんじゃん。


ハイハイ、もうわかったよ。


あんたにとってはただの気まぐれだったってことでしょ?


カーっと頭に血が上るのがわかる。


「もういいっ、岳のバカ、おたんこなすっ」


ダンッと床を蹴って勢いよく立ち上がり、そのまま教室を出ていこうとした。


さっきまで、騒がしかったクラスメイトは水を打ったように静まり返る。


「美緒、待てって」


「ヤダ」


彼は慌てて立ち上がったけど、私はそのまま教室を飛び出した。


「おーい、何だー、痴話喧嘩か?
佐倉、そろそろ授業が始まるから席につけよ」


だけど運悪く扉を出たところで、1時間目の授業にきた担任とでくわしてしまった。


仕方がなく、すごすごと自分の席に戻ったけどその後ずっと岳とは目も合わせないようにして避けていたんだ。
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