なぜか彼氏が2人できちゃいました……。
びっくりして素っ頓狂な声を上げたのは私。


岳をまじまじと見れば、息を呑んだままその場に石像のように固まっている。


代わりに私が空くんに反論した。


「違うよ、岳と私は友達なんだから、岳の方だってそう思ってるよ」


「さあ、それはどうかな?」


意味深にニッと笑う空くん。


「美緒、だったら俺とだけ試してみる?」


そう言って、私の肩に手をおきズイッと距離を詰めてきたから身を固くした。


わわっ、どうしよ。


「だから、そういうのやめろって」


すると岳が私を庇おうとして空くんを突き飛ばした。


私はキャッと悲鳴をあげる。


「なんだよ、やるかっ」


「おうっ、やってやる」


「この堅物、告白もできねーのか、びびってんじゃねーよ」


「は?お前に言われたくねー、この女たらし」
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