なぜか彼氏が2人できちゃいました……。
屋上ではまだ双子の喧嘩が続いているに違いない。
 

「やめなさーい」


かなりの興奮状態で屋上に辿り着くと、双子めがけてバケツの水を勢いよくぶちまけた。


「うわっ」
「冷たっ、なにすんだよ?」


見れば、2人は並んで立ってはいるだけで取っ組み合いはしていない。


「だ、だって2人が喧嘩を……」


「もうとっくにやめてたよ。美緒もいつの間にかいなくなってたし俺たち話し合いをしてたんだよ。それなのに」


空くんが呆れたようにため息をつくと、岳はこらえきれないって風にお腹を抱えてクッと笑いだした。


「美緒、俺たちをなんだと思ってんだ。喧嘩したから水をかけるっておまえどんな発想だよ」


岳は笑ってて本気で怒ってはいないみたいだけど、彼の方がずぶ濡れだったから申し訳なくなった。


「まったく、ぶっ飛びすぎ」
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