なぜか彼氏が2人できちゃいました……。
それほどには濡れていない空くんは上着を脱いで岳の背中にかけた。


「はあ、ごめんなさい」


さすがに反省して謝ったんだけど、岳は私の頭にポンと手をのせる。


「いいよ、謝らなくても。
俺たちが喧嘩したからパニックになったんだよな、美緒は」


眩しそうに目を細める彼。


「う、うん」


岳、今日はいつにも増して優しいなって感じた。


それに、不謹慎だけどまさに水も滴るいい男って感じになってる。


「じゃあ、美緒も戻ったことだしさっきの話の続きをしようよ」


「ああ、そうだな」


なぜだか2人ともちょっとすっきりした顔をしている。


うーん、男の子ってよくわからない。


殴り合いの喧嘩をしたら、自然と仲直りできるものなんだろうか、それともこの双子ならではなのか。


「さっきの話の続き?」


「そう、俺たち2人と同時に付き合ってくれる?」
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