なぜか彼氏が2人できちゃいました……。
「あれ、俺の彼女だから」


そ、そっか、今は私、お試しとはいえ彼女だから間違ってはいないよね。


その時、言いようのないくらいの高揚感に包まれていた。


女子高生達は、私をひと睨みしてから立ち去っていった。


ちょっとホッとしている自分がいて、変な気分。


「美緒、どうかした?」


「ううん、なんでもない。わー美味しそう」


私は誤魔化すように、へらりと笑った。


2日目は映画


岳が見たがっていた映画が小難しい内容だったせいか、私はウトウト眠ってしまっていた。


うっすら目が覚めた時、空くんの肩に寄りかかっていたことに気づいた。


「そろそろ交代しろ」


「もう少しだけ」


岳の苛立ったようなヒソヒソ声に答える空くん。


「早く代われって」


「はいはい」
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