不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?
「それで実際の所、どうなんですか?」
「えっと、どうとはどういうことでしょうか?」
「マグナード様のことです」

 紅茶とビスケットを用意してから、私はミレリア嬢と話を始めていた。
 そこで彼女が聞いてきたのは、マグナード様のことである。
 もしかして今回の訪問は、真面目な話をする場だったのだろうか。先日のマグナード様の様子を思い出して、私は思わず面食らってしまう。

「前々から気になってはいたんです。でも、色々とあってお聞きする暇がなくて、ずばりお二人は親密な仲なのですか?」
「え?」

 続くミレリア嬢の言葉に、私は変な声を出してしまった。
 彼女が何を言っているのかは、理解することができる。要するに、私とマグナード様が恋仲かどうかを聞いているのだろう。
 しかし、どうしてそうなったのかが私にはわからない。ミレリア嬢は、急に一体どうしたというのだろうか。
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