不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?
「ミレリア嬢? 私とマグナード様は、ただの友人ですよ?」
「ただの友人? まさか、そんな訳……」
「あの、ミレリア嬢? なんでそんなに楽しそうなのですか?」

 ミレリア嬢は、今まで見たことがないような蕩けた笑みを浮かべていた。
 もしかして、彼女は恋愛の話などが好きなタイプなのだろうか。それは初めて知ることだったため、私は少し驚いていた。
 とはいえ、私も別にそういった話が嫌いという訳ではない。もっとも、その話の当事者が自分であるとなると、話は大いに変わってくるのだが。

「言っておきますが、私とマグナード様は本当になんでもありませんからね?」
「本当ですか? でも、お二人は仲良くされているではありませんか」
「私と彼とでは、身分が違い過ぎます。子爵家と公爵家なのですから、恋愛が成立するような関係性ではないのです」
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