不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?
 マグナード様の指摘に、私は頭を抱えることになった。
 ここ最近は色々とあったため、学園の行事というものが頭から抜けていた。
 期末テスト、それは学生にとっては乗り越えなければならない試練だ。できれば忘れて痛かった気もするが、マグナード様のお陰で大切なものを思い出せた。

「勉強しなければなりませんね……」
「イルリア嬢は、成績はどうなんですか?」
「悪くはありませんよ。普通だと思います」

 私の成績は、別に悪かったりはしない。ただ特別良いという訳ではないため、並である。
 そんな並の私は、ちゃんと勉強しなければ、ちゃんとテストの結果に反映されてしまう。ここ最近は勉強できていなかったため、頑張らなければならない。

「マグナード様はどうなんですか?」
「そこそこ、といった所でしょうか。上の方ではあると自負しています」
「そうですか。それなら安心でしょうか?」
「安心することはできませんね。油断したら足元をすくわれてしまいますからね」
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