不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?
「ロダルト子爵令息は、突然ムドラスの前に現れたそうです。彼は、ムドラスのことを罵倒しながら痛めつけました。油断していたこともあって、ムドラスは成す術もなかったようです。不意打ちに対応できる程に、ムドラスは格闘技に精通している訳ではないですからね」
「それでも、ムドラス伯爵令息は喧嘩慣れしているはずですから、驚きですね。ロダルト様に武術の心得があるなんて、聞いたことはないのですが……」
「まあ、躊躇いがなかったということですかね? 彼はもう後先を考えていなかったとか……」
「それはあり得そうですね……」
ミレリア嬢の説明に、私はゆっくりと頷いた。
ロダルト様は、恐らく私を刺した後のことなど考えていなかっただろう。考えていたら、あのようなことはできない。衆人環視で、私を刺すことになる訳だし。
「まあ、ムドラスはそもそもそんなに強いという訳でも、ないと思うんですよね。あれも躊躇いがないのが恐ろしいだけで……ほら、ブライト殿下に簡単に取り押さえられたとも言いますし」
「そういえば……」
「それでも、ムドラス伯爵令息は喧嘩慣れしているはずですから、驚きですね。ロダルト様に武術の心得があるなんて、聞いたことはないのですが……」
「まあ、躊躇いがなかったということですかね? 彼はもう後先を考えていなかったとか……」
「それはあり得そうですね……」
ミレリア嬢の説明に、私はゆっくりと頷いた。
ロダルト様は、恐らく私を刺した後のことなど考えていなかっただろう。考えていたら、あのようなことはできない。衆人環視で、私を刺すことになる訳だし。
「まあ、ムドラスはそもそもそんなに強いという訳でも、ないと思うんですよね。あれも躊躇いがないのが恐ろしいだけで……ほら、ブライト殿下に簡単に取り押さえられたとも言いますし」
「そういえば……」