恋の順番
6.
「『居眠り王子』に、意外なところがあって驚いた?」
不意に胸のうちを読み取られて、顔が赤くなる。
「そ、そんなことはっ!」
「碧葉、こないだオレに話してくれただろ? だから、オレも打ち明けたくなったんだ。今まで誰かに教えたことのない、自分のこと」
と、皆上くんはコーラを口にした。
おかしいな。皆上くんとは毎日教室でいっしょにいるはずなのに、今私の目の前の皆上くんはまったくの別人みたい。今までに見たことのない表情をどんどん見せてくる。
学校とは別のところで会ってるから? 今が夜だから?
こうしてふたりで向き合って話すことなんて、今までなかったからかな?
そんなふうにグルグル頭を悩ませてたら、
「なんか、こういうのってデートみたいじゃない?」
って、皆上くんが口にしたものだから目が点になっちゃった。
冗談だよね、きっとからかわれてるんだ。
こうやって話すようになったんだってつい最近だよ?
それに私、まだ恋なんて一度もしたことないし。
それなのに、デートなんて、順番がちがいすぎるよ。
「そろそろ十時すぎるな。帰りのバスの時間、大丈夫?」
皆上くんに声をかけられて、ハッとわれに返る。
「そうだ、そろそろ出なくちゃ」
もう、そんなに経ってたんだ。時間のこと忘れちゃってた。
「じゃあ、バス停まで送ってくよ」
「ありがとう……」
やっぱり胸の奥がどこかさわがしくなってる。
だけど、それがなんなのかうまく説明がつかない。
分からない。分からない。今日の私はどこかおかしい。
さっきまで、何時間も、たくさん勉強してきたはずなのに。
不意に胸のうちを読み取られて、顔が赤くなる。
「そ、そんなことはっ!」
「碧葉、こないだオレに話してくれただろ? だから、オレも打ち明けたくなったんだ。今まで誰かに教えたことのない、自分のこと」
と、皆上くんはコーラを口にした。
おかしいな。皆上くんとは毎日教室でいっしょにいるはずなのに、今私の目の前の皆上くんはまったくの別人みたい。今までに見たことのない表情をどんどん見せてくる。
学校とは別のところで会ってるから? 今が夜だから?
こうしてふたりで向き合って話すことなんて、今までなかったからかな?
そんなふうにグルグル頭を悩ませてたら、
「なんか、こういうのってデートみたいじゃない?」
って、皆上くんが口にしたものだから目が点になっちゃった。
冗談だよね、きっとからかわれてるんだ。
こうやって話すようになったんだってつい最近だよ?
それに私、まだ恋なんて一度もしたことないし。
それなのに、デートなんて、順番がちがいすぎるよ。
「そろそろ十時すぎるな。帰りのバスの時間、大丈夫?」
皆上くんに声をかけられて、ハッとわれに返る。
「そうだ、そろそろ出なくちゃ」
もう、そんなに経ってたんだ。時間のこと忘れちゃってた。
「じゃあ、バス停まで送ってくよ」
「ありがとう……」
やっぱり胸の奥がどこかさわがしくなってる。
だけど、それがなんなのかうまく説明がつかない。
分からない。分からない。今日の私はどこかおかしい。
さっきまで、何時間も、たくさん勉強してきたはずなのに。