レンズのむこう
「なに奴ってなに時代?」


ははっとまたムカつく笑い方をして、奴はこちらをチラリと見てきた。



「俺のこと知らないの?」


自意識過剰発言をぶっ放す奴に向かって、また足が伸びそうになったがなんとかこらえた。



「どっかでお会いしたことありましたか?」


「いいや?」


「じゃあ知りません。」


キッパリすっぱり言うと、奴は物珍しそうに私を見て、へぇと呟いた。



なんだその珍獣を見るような目は!

さっきから失礼極まりない男にイライラのボルテージがあがりまくる。
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