レンズのむこう
私は叩かれた頭をおさえて、数学教師兼我らがクラスの担任平井 京一を睨みつけた。



「いったいなぁ!私の貴重な脳細胞が減ったじゃんかよ!」



「俺の授業をサボって寝るとはいい度胸だなぁ上條みこと。寝るほど余裕があるんだろ?それくらいじゃお前の脳細胞は減らないんじゃないか?あぁ?」




銀フレームの眼鏡を中指でくいっと持ち上げて、ぎらりとした眼光を投げかける先生に女子生徒がきゃあっと声をあげた。





こんなんがいいのかね。今時の女子高生は。


分かりたくないね全く


私がふぅっとため息を吐くとさっきよりも強烈な一撃が脳天に直撃した。
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