レンズのむこう
我が校の生徒会長といえば。


確か……
容姿端麗で頭脳明晰で?
みんな平等に扱う天使のような優しい性格に?
お金持ちのボンボンっていう小説に書いたような男だったような?



「へぇーあなたがなんですかー」


「そうーだから俺のこと知らないって聞いてビックリー」


私の口まねをして返す会長に思わず眉がよる。


「体育祭とか合唱祭とか週一の朝礼の時とか?頑張って挨拶してるんだけどなぁー」



わざとらしくガックリと肩をおとす会長にちょっとした罪悪感が私を襲う。



まぁホントにちょっとだけど。


「すいません。他人に興味ないもんで」


ズバッと言うね~と会長は笑って、私にカメラを返してくれた。



「で?君の名前は?」

「…え。なんで教えないといけないんですか」


「俺も名乗ったんだから。そっちも名乗るのが筋でしょうが」



この上なくニコニコする奴から早く離れたくて私は嫌々自己紹介した。


「二年三組 上條みこと。これでよろしいですか?会長」


嫌みったらしく言って今度こそ屋上から出ようとしたら
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