レンズのむこう
目の前に星がチカチカなってるよ



空に飛びにいくと言いましたが、飛びすぎて宇宙空間ですよ。


大気圏突破ですよ。



ってそうじゃなくってさぁ!!


「二度も殴るなんてヒドいじゃないか暴力教師!」


「愛の鞭だ。有り難く受けとっておけ」


平井はフフンと得意気に笑って丸まった教科書で自分の肩をポンポンと叩く。



「上條 みこと。お前今日の放課後職員室な」



「なっなんでさ!!私がなにを!」



「まずは授業態度に問題があるだろ。そしてムダにデカいお前の声で他のクラスの授業妨害。教師への反抗的な態度。数学の異常なまでに低い成績…」



あげたらキリがないなと、平井は残虐な笑顔を浮かべて私にむかって指を指した。



人にむかって指を指しちゃいけません!!
…なんて突っかかる勇気も元気も私には残っておらず…
平井の、

「いいな?絶対だぞ」



という最後の追い討ちに、私はうなだれるしかなかった。


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