レンズのむこう
「愚問だな。お前をここに呼んだのはなんでもないただの暇つぶしとパシリだ」

こんの魔王がぁあぁあっ!
声にならない声で怒鳴ると平井先生は冗談だ、とまた鼻で笑った。



いや、今のは本音八割やった。


私はハァーとため息をつくと二年生全員分!のプリントを机にドカッと置いた。


「できましたよ。平井せ・ん・せ!!」


嫌みを込めて呼びかけると気にした風でもなく、んっと私にもコーヒーをくれた。


「砂糖とミルクはそこにある。いれすぎんなよ」


「いいじゃないか。ケチんなよ」


「んだとコラ。お前はほっとくと病気になるくらいいれるからだろが。あ?」


俺様のこの気遣いが分からねーのか?
そう言って私の頬をつねってくる。
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