レンズのむこう
一生分の幸せを逃したわけじゃないのに

私は気分が目一杯下がるのを呆然と感じていた。



「まあまあ。そんな落ちこむなって。平井に呼び出されたくらいで…ってみことには最悪なことか…」



困ったように笑った守をチラッと見つめて、ぐぅ~っと唸る。



平井=‘あの話'
になるに決まってる

今まで散々かわしてきたけど、今回はきっと逃げられない。


じっくりと話し合いをされるんだ…



私はまたぐぅ~っと唸って勢いよく顔をあげた。



「負けんどーっ!」


拳をつくり天に突き上げる。



「負けんなーっ!」


それを真似て守も叫んだ。
はたから見たらバカ二人組。
まぁクラスの皆様も慣れたご様子で見事なスルーでございます



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