ここにいるよ。
4
「ねえ、疲れた。今日はもう帰ろうよ。」
「いいね。早退して箱根とか行っちゃおう。」
高校三年生の10月。
急に寒くなり、冬の訪れを感じて焦るころ。
私たち三人は体育終わりにジャージをパタパタと仰ぎながら、達成されそうにない目標に花を咲かせていた。
「箱根行ったら、必ず行くお店あるんだよね。」
「まじ?自分箱根エアプだわ。」
「どんなお店?」
「おいしいとんかつ屋さん。」
「箱根ってとんかつが名物なんだね。知らなかった。」
「卵と箱根細工と温泉だけだと思ってた。」
「いや、別にそのお店がおいしいってだけだと思う。」
なんて平和な会話だろう。
よどみなく流れる会話と、ほてりが抜けていくからだ。
きっとこの日常が幸せってことだと思う。
奇跡よりも幸せのほうが優しいよな。
だって幸せはきっと毎日どこかしらに転がっているし。
自分ってラッキーかも。
神様ありがとう。
奇跡なんて見たことないし、どんな姿か知らないけど、幸せならよく知ってます。
どこの宗教にも属してないけど、心の中でお礼を伝えた。
「で、何派なの?」
ボケっとしていたら急に顔を覗き込まれて、質問された。
「え、宗派ってこと?特に何も信じてないよ。」
「えっと、頭大丈夫?」
どうやら、揚げ物のトップを決める議論が二人の間で交わされていたらしい。
「ごめんごめん、ぼけっとしてた。」
「で、何派?」
さっきから何派botと化している人がいる。
少し考えた後、こたえた。
「サツマイモの天ぷら。」
「「ないわ。」」
「え!!」
両脇から批判を食らう。
いや、おいしいだろ。ふつうに。
「やっぱり、から揚げでしょ。」
「いや、とんかつ。」
二人の意見もわからなくもないな。
「サツマイモのてn「「ないわ」」
自分も話に入ろうとしただけなのに一刀両断される。
なんて悲しい。
なんて幸せ。
「いいね。早退して箱根とか行っちゃおう。」
高校三年生の10月。
急に寒くなり、冬の訪れを感じて焦るころ。
私たち三人は体育終わりにジャージをパタパタと仰ぎながら、達成されそうにない目標に花を咲かせていた。
「箱根行ったら、必ず行くお店あるんだよね。」
「まじ?自分箱根エアプだわ。」
「どんなお店?」
「おいしいとんかつ屋さん。」
「箱根ってとんかつが名物なんだね。知らなかった。」
「卵と箱根細工と温泉だけだと思ってた。」
「いや、別にそのお店がおいしいってだけだと思う。」
なんて平和な会話だろう。
よどみなく流れる会話と、ほてりが抜けていくからだ。
きっとこの日常が幸せってことだと思う。
奇跡よりも幸せのほうが優しいよな。
だって幸せはきっと毎日どこかしらに転がっているし。
自分ってラッキーかも。
神様ありがとう。
奇跡なんて見たことないし、どんな姿か知らないけど、幸せならよく知ってます。
どこの宗教にも属してないけど、心の中でお礼を伝えた。
「で、何派なの?」
ボケっとしていたら急に顔を覗き込まれて、質問された。
「え、宗派ってこと?特に何も信じてないよ。」
「えっと、頭大丈夫?」
どうやら、揚げ物のトップを決める議論が二人の間で交わされていたらしい。
「ごめんごめん、ぼけっとしてた。」
「で、何派?」
さっきから何派botと化している人がいる。
少し考えた後、こたえた。
「サツマイモの天ぷら。」
「「ないわ。」」
「え!!」
両脇から批判を食らう。
いや、おいしいだろ。ふつうに。
「やっぱり、から揚げでしょ。」
「いや、とんかつ。」
二人の意見もわからなくもないな。
「サツマイモのてn「「ないわ」」
自分も話に入ろうとしただけなのに一刀両断される。
なんて悲しい。
なんて幸せ。