遅刻しそうな時にぶつかるのは運命の人かと思っていました
電車内のアナウンスで気づいたら最寄り駅まで電車が近づいていたので、亜由美はスマートフォンの画面を落としバッグに入れた。
その足音に気づいたのは駅からだいぶ離れて自宅マンションの近くになってからだ。
亜由美の後ろから、少しだけ距離を開けて人がついてきているような気がした。
この前、ポストに入っていた封筒のこともある。亜由美は怖くなって足を早めた。それに合わせて後ろの人物も足早になったような気がする。
カバンの中からカギを取り出した亜由美はオートロックを手早く開ける。
後ろからの足音はマンションを通り抜けそのまま真っすぐ進んでいったようだった。
自動ドアの中に入って、亜由美は大きく息をつく。心臓がどくどくいっていた。
ドアの中に入ったら少し気持ちが落ち着いたのだけれど、その時初めて鼓動が早くなっていたことに気づいたのだ。
後ろの人物はついてきたわけではなくて、ただ同じ方向に行く人と一緒になっただけのようだ。
尾けられていたわけではないと知って亜由美は安心してエレベーターに乗る。
──大丈夫。あれはきっと単なるイタズラなんだから。
自分にそう言い聞かせて、亜由美は家の中に入った。
その足音に気づいたのは駅からだいぶ離れて自宅マンションの近くになってからだ。
亜由美の後ろから、少しだけ距離を開けて人がついてきているような気がした。
この前、ポストに入っていた封筒のこともある。亜由美は怖くなって足を早めた。それに合わせて後ろの人物も足早になったような気がする。
カバンの中からカギを取り出した亜由美はオートロックを手早く開ける。
後ろからの足音はマンションを通り抜けそのまま真っすぐ進んでいったようだった。
自動ドアの中に入って、亜由美は大きく息をつく。心臓がどくどくいっていた。
ドアの中に入ったら少し気持ちが落ち着いたのだけれど、その時初めて鼓動が早くなっていたことに気づいたのだ。
後ろの人物はついてきたわけではなくて、ただ同じ方向に行く人と一緒になっただけのようだ。
尾けられていたわけではないと知って亜由美は安心してエレベーターに乗る。
──大丈夫。あれはきっと単なるイタズラなんだから。
自分にそう言い聞かせて、亜由美は家の中に入った。