遅刻しそうな時にぶつかるのは運命の人かと思っていました
 いつもより強引なのは、いつもより亜由美を欲しがってくれているからかもしれない。

 離れていて会いたくて久しぶりに会ったら愛おしい気持ちでいっぱいなのは亜由美も一緒だ。だからこそ欲しがってしまうのも分かるから。

「いやなことはしない。優しくする。けど気持ちよかったら、いいって言って?」

 亜由美の目の前にしゃがんだ鷹條が舌先を出して、花芽に触れる。
「やっ……あぁ……」
「これはいやなんだ? じゃあ……」

 花弁を指で開かれて、芽から蜜口までをぬめりと温かさを持った舌で舐めたり、吸ったりされて、亜由美は太ももが震えてきてしまった。

「ちがっ……そういう意味じゃ……や、なのは、おかしくなっちゃいそうだから……」
「おかしくなりそうとか、可愛い。興奮する」
「だから……いやってわけじゃなくて……」

 亜由美が本気で嫌なのかどうかなんて、きっと鷹條にはお見通しだと思う。それでも亜由美が嫌と言えばその言葉を優先しかねない。

 バスルームで立たされて、鷹條の目の前には自分の恥ずかしい場所が晒されていて、なのに鷹條は可愛いとか興奮するとか言うし、いじわるする。

 本当だったら、本気で嫌がってもおかしくないのに自分も昂らされてしまっていることが亜由美には信じられなかった。

 それほどまでに鷹條が好きなんだと思い知らされただけだ。
 亜由美は屈んでいる鷹條にぎゅっと抱きついた。

「好きにしていいの。すごく、好き。大好き」
「亜由美」

 抱き返してくれた鷹條は立ち上がって、亜由美を抱き上げる。
 苦笑していた。
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