遅刻しそうな時にぶつかるのは運命の人かと思っていました
「それは俺も思ってる。こんなに綺麗な人が俺の彼女なんだなぁって。なに、亜由美? 朝からむちゃくちゃにされたいの?」
昨日は結局一回では終わらなくて、あの後も何度もされてしまったのだ。
──そ、それは無理……。
亜由美は布団で顔を隠してふるふるっと首を横に振る。
その布団ごと鷹條がぎゅっと抱きしめたのが分かった。
「ちょっと走ってくる。このままじゃまた抱いてしまいそうだから。亜由美は寝ていていいから」
布団越しに鷹條の囁く声が聞こえて、亜由美はそっと顔を出した。亜由美に向かって微笑みかけて、鷹條はポンポンと布団をたたき、ベッドから立ち上がる。
その後ろ姿を半分寝ぼけながら布団の中から見て、亜由美は幸せを噛みしめていた。
◇◇◇
鷹條は持ってきた荷物の中からジャージを出し、着替えてジョギングに向かった。
亜由美の家の近所を軽く走って帰ってくる。息を整えてマンションの前まで来ると亜由美が青ざめた顔をして待っていた。
何が起こったのか分からず、鷹條は駆け寄る。
「どうした? 何かあったのか?」
「ポストに……」
亜由美がマンションの集合ポストを指差す。集合ポストから郵便物がはみ出しているのが見えた。亜由美の部屋のポストだ。
他のポストからはそんな風にはみ出すような郵便物はない。鷹條は昨日の夜のことを思い返していた。
買い物に立ち寄って帰ったあと、亜由美がポストから郵便物を取り出していたのを確かに見た。
昨日は結局一回では終わらなくて、あの後も何度もされてしまったのだ。
──そ、それは無理……。
亜由美は布団で顔を隠してふるふるっと首を横に振る。
その布団ごと鷹條がぎゅっと抱きしめたのが分かった。
「ちょっと走ってくる。このままじゃまた抱いてしまいそうだから。亜由美は寝ていていいから」
布団越しに鷹條の囁く声が聞こえて、亜由美はそっと顔を出した。亜由美に向かって微笑みかけて、鷹條はポンポンと布団をたたき、ベッドから立ち上がる。
その後ろ姿を半分寝ぼけながら布団の中から見て、亜由美は幸せを噛みしめていた。
◇◇◇
鷹條は持ってきた荷物の中からジャージを出し、着替えてジョギングに向かった。
亜由美の家の近所を軽く走って帰ってくる。息を整えてマンションの前まで来ると亜由美が青ざめた顔をして待っていた。
何が起こったのか分からず、鷹條は駆け寄る。
「どうした? 何かあったのか?」
「ポストに……」
亜由美がマンションの集合ポストを指差す。集合ポストから郵便物がはみ出しているのが見えた。亜由美の部屋のポストだ。
他のポストからはそんな風にはみ出すような郵便物はない。鷹條は昨日の夜のことを思い返していた。
買い物に立ち寄って帰ったあと、亜由美がポストから郵便物を取り出していたのを確かに見た。