遅刻しそうな時にぶつかるのは運命の人かと思っていました
 外と中とを同時に愛撫されて亜由美の身体は堪えきれず細かく震えてしまう。

「……っ!」
 玄関中に亜由美の下肢からの湿った音が響いた。中の感じるところに鷹條の指の存在を感じながら、強く吸われた瞬間に亜由美は達してしまっていた。

 壁に手をつくように後ろ向きにされた亜由美は、絶頂の余韻を残す蜜口に鷹條の猛ったものを擦られる。

 優しくすると言った言葉通り、鷹條はただ擦るだけでその熱く硬いものを中には入れずに擦るだけだ。

 亜由美の口元から咥えさせられていた服が外れる。浮かされたように亜由美は鷹條を振り返った。

「し……て? 挿れてちゃんと、して……」
 熱の篭った目で見つめると鷹條が苦笑する。
「了解」
 そう返事した鷹條は熱杭をぐっと奥まで突き入れてきた。

 内壁を擦られる感触と共に先端が最奥をきゅっと押すのを感じて亜由美の身体が震えた。

 激しくされるわけではない。その律動は緩やかだ。それなのに奥を押されれば身体がどうしようもなく震えて、引き出される時は絡みつくようにしてしまう。

 亜由美の目には自分の手の上に重ねられてぎゅっと強く握ってくれている、鷹條の包み込むような大きな手が見えていた。

 どこもかしこも感じさせられておかしくなりそうだった。後ろからされていても鷹條がしっかりと抱きしめていてくれるから不安はない。

 後ろからの行為は普段と当たるところも擦られるところも全く違って、いつもと違う感覚に亜由美は翻弄されていた。
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