遅刻しそうな時にぶつかるのは運命の人かと思っていました
 連絡先を交換してほしいと言えばいいのだろうか。
(強要にはならないだろうか?)

 そんなことを考えていたら、ありがとうございましたと鷹條は頭を下げられ、亜由美はマンションの中に入っていってしまった。

 その後ろ姿を鷹條は見送ることしかできなかったのだ。
 軽くため息をついて、鷹條は官舎の方角に足を向けた。

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