遅刻しそうな時にぶつかるのは運命の人かと思っていました
「亜由美のも見たい」
 ブラウスを脱がせて、ブラジャーのホックを外される。するりとブラジャーを外されたら、なんだかとても心もとない気がした。

 思わず胸元を抑えてしまうと、くすりと笑われる。その手に鷹條の指が絡んだら、きゅっと繋ぎたくなってしまって、胸元はあっという間に暴かれてしまった。

「亜由美も綺麗」
 見られていることに恥ずかしくてどきどきしているはずなのに、綺麗と言われて下腹部がきゅうっと熱くなった。

 鷹條は亜由美の上になり、その腕の中に亜由美を捉える。
「怖い?」
 亜由美はふるふるっと首を横に振った。
 鷹條にされることで怖いことなんかない。

「良かった」
 安心したように微笑む鷹條の顔が近づいた。そっと亜由美の唇と重なる。

 一気に二人の距離がなくなって、肌と肌が触れ合う。唇の重なる感触も、肌の触れ合う感触も、どちらも亜由美を戸惑わせるほどに感じさせられてしまっていた。

 重なり合うだけだった唇の隙間から鷹條の熱い舌が亜由美を追って、少しでも弱いところを見つけられるとそこを執拗に(ねぶ)られる。

 背中をぞくっとするものが走って、つい目の前の鷹條の身体に縋りついてしまうと、今度は亜由美の固くなってしまった胸の先端が鷹條の身体に直に擦られて、その刺激でまた身体を震わせる羽目になるのだ。

 キスをしている間も肩や腰のラインをなぞるように鷹條は触れていて、直接的ではないその触れ方に亜由美は秘部からとろりと温かいものが零れたことを自覚した。

「亜由美はすごく綺麗だ……あの時……」
 あの時……?
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