遅刻しそうな時にぶつかるのは運命の人かと思っていました
「良かった。ちゃんと濡れている」
 そんなことを言われた後にその蕾に鷹條の舌先が触れた。

「ふっ……あぁ、そんなとこ……」
「でも、多分指より舌のが気持ちいいと思う。強くし過ぎないからこっちのがいいだろう」

 どっちがどうとか分からない。
 でもきっと鷹條にされたらなんでも気持ちいいんじゃないかと思う。

 優しくするというようなことを言っていたけれど、鷹條は亜由美のその赤い小さな突起を舌先でつついたり、ざらりと舐めたり、挙句唇で軽く吸ったりした。

 堪えきれない声を漏らして、亜由美の腰が反れてしまう。わざとじゃないのに、その仕草はまるで鷹條を誘っているようだ。

 舌や唇の感触は柔らかくて、確かに優しい。
 なのに、そんなところを舐められているのかと思うと恥ずかしくて顔から火が出そうだ。

 何度も繰り返しされていたら、だんだん気持ちよさの粒みたいなものが、結晶のように固まってくる。

 それにともなって亜由美の声が高くなってゆく。
 その時、亜由美の中に鷹條の指が埋められた。

「ああ、濡れてるし柔らかくなってる。痛かったら言えよ?」
「ん……」


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