遅刻しそうな時にぶつかるのは運命の人かと思っていました
9. 善処します
 軽い違和感はあるけど、痛くはない。
 それよりも挿れられたところから、鷹條が指を軽く動かす度にくちゅくちゅと音をさせることの方が気になった。

「あ……の、音……」
「うん。よく濡れてて可愛い。もう一本増やすよ」

 亜由美の表情を見て、大丈夫と思ったのか、もう一本を伴って中に指が入ってくる。
 先程よりも明らかに中を拡げられるような感覚があった。

「大丈夫か?」
 こくりと亜由美はうなずく。

「亜由美の中、温かくて湿ってて……大事にしたいのに、すごく挿れたい」

「いい……よ?」
「だめ。もうちょっと慣らしてからな。それにもっと気持ちよくさせたい」
 
 その言葉通りに、鷹條の指が亜由美の中をゆっくりと探るように触れる。

 そして、触れられるとびくびくっと腰が震えてしまう箇所があった。

「ここ、がいいんだ?」
「あ……」

 見つけられてしまったそこと、秘裂の上にある芽とを同時に攻められて抵抗できない高揚感に亜由美は身を任せた。
 甲高い声を上げて達してしまった亜由美を鷹條は優しく抱きしめてくれる。

「イった?」
「は……い……」
 身体には力が入らないし、自分以外の人に絶頂へと導かれたのは初めてのことだ。

 正直、自分でもあまりしないから、なおさらよく分からなかった。
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