遅刻しそうな時にぶつかるのは運命の人かと思っていました
そんなことも亜由美は嬉しかった。妙に遠慮されるより、気にしないで連れ出してくれた方が嬉しいのだと、亜由美は鷹條との交際で知ったことだった。
仮に一緒に出かける機会が少なくても、出かけた先で仕事のために呼び出されて出勤しなくてはいけなくなったとしても、その交際はとても充実していたし、これがお付き合いというものなんだと亜由美は実感していた。
「あ……の、今日はできれば定時で帰りたいのですが」
そう伝えた亜由美に奥村は一瞬きょとんとして満面の笑顔になった。
奥村のその笑顔は亜由美が戸惑うほどだ。
「もちろんー! いいわよー? デートかなぁ?」
他の人にからかわれたら困るけれど、奥村なら構わない。
こくっと亜由美はうなずいた。顔が赤くなっている自覚はある。
しかし、他の課内のメンバーは普段見ないそんな亜由美の姿に、心の中で『可愛い~~!』と叫び散らかしていたことは、亜由美はもちろん知らない。
「すみません、私用で」
「なに言ってるの? 大事なことよ。プライベートが充実してこそ仕事もできるのよ。ワークライフバランスってそういうものでしょ」
それにしては奥村が妙にうきうきしているように見える。
「なんとなくね、最近杉原さんが綺麗になったなぁって思っていたの。そっかぁ、恋をしていたのね」
(は、恥ずかしいっ)
「繁忙期って訳でもないし、大丈夫よ。私も今日は早く帰ろうかなー」
なんとなくチーム内で今日は早く帰ろうという雰囲気になって、亜由美が感謝されたのはまた別の話だ。
仮に一緒に出かける機会が少なくても、出かけた先で仕事のために呼び出されて出勤しなくてはいけなくなったとしても、その交際はとても充実していたし、これがお付き合いというものなんだと亜由美は実感していた。
「あ……の、今日はできれば定時で帰りたいのですが」
そう伝えた亜由美に奥村は一瞬きょとんとして満面の笑顔になった。
奥村のその笑顔は亜由美が戸惑うほどだ。
「もちろんー! いいわよー? デートかなぁ?」
他の人にからかわれたら困るけれど、奥村なら構わない。
こくっと亜由美はうなずいた。顔が赤くなっている自覚はある。
しかし、他の課内のメンバーは普段見ないそんな亜由美の姿に、心の中で『可愛い~~!』と叫び散らかしていたことは、亜由美はもちろん知らない。
「すみません、私用で」
「なに言ってるの? 大事なことよ。プライベートが充実してこそ仕事もできるのよ。ワークライフバランスってそういうものでしょ」
それにしては奥村が妙にうきうきしているように見える。
「なんとなくね、最近杉原さんが綺麗になったなぁって思っていたの。そっかぁ、恋をしていたのね」
(は、恥ずかしいっ)
「繁忙期って訳でもないし、大丈夫よ。私も今日は早く帰ろうかなー」
なんとなくチーム内で今日は早く帰ろうという雰囲気になって、亜由美が感謝されたのはまた別の話だ。