遅刻しそうな時にぶつかるのは運命の人かと思っていました
じゃあ、いちばん最初に亜由美のところに泊まった時は?と単純に疑問に思って聞いてみたことがある。
鷹條は口元を抑えてふっと顔を横に向けて、とても小さい声で「いや……許可は取ってた……」と言ったのだ。
その耳が赤くて、亜由美も言葉を返せなくなってしまった。
あわよくば、の下心。好きな人のものならばなぜか嬉しいものらしい。正直に亜由美に打ち明ける鷹條が好きだなぁと微笑ましく嬉しくなったものだった。
鷹條の時間はとても貴重だ。
その貴重な時間を亜由美と一緒にいることに使ってくれていることが本当に嬉しい。
大事にされていることを亜由美も実感していたのだった。
今日は楽しみにしている恋愛コミックスの新刊の発売日だ。
朝から亜由美は本屋さんに寄って帰ると決めていた。電子でも読めるけれど、しっかり浸って読める紙本もどうしても好きで、大好きな作家さんのものだけ買うと決めている。
なかなか時計の進まない中、定時に終わるとダッシュで電車に乗り最寄り駅近くの大型書店に足を向けた。
「杉原さん! お待ちしてましたよー!」
店員は亜由美とも仲良しで同じようなジャンルが好きらしく話も合うし、時にオススメを教えてもらったりもする。
亜由美は笑顔を向けた。
「楽しみにしてたの」
「お取り置きしてありますよ。もー、今回もきゅんきゅんです」
「ね……ネタバレ禁止!」
慌てて亜由美が言うと、店員にくすくす笑われてしまう。
「了解です! 楽しんでください」
鷹條は口元を抑えてふっと顔を横に向けて、とても小さい声で「いや……許可は取ってた……」と言ったのだ。
その耳が赤くて、亜由美も言葉を返せなくなってしまった。
あわよくば、の下心。好きな人のものならばなぜか嬉しいものらしい。正直に亜由美に打ち明ける鷹條が好きだなぁと微笑ましく嬉しくなったものだった。
鷹條の時間はとても貴重だ。
その貴重な時間を亜由美と一緒にいることに使ってくれていることが本当に嬉しい。
大事にされていることを亜由美も実感していたのだった。
今日は楽しみにしている恋愛コミックスの新刊の発売日だ。
朝から亜由美は本屋さんに寄って帰ると決めていた。電子でも読めるけれど、しっかり浸って読める紙本もどうしても好きで、大好きな作家さんのものだけ買うと決めている。
なかなか時計の進まない中、定時に終わるとダッシュで電車に乗り最寄り駅近くの大型書店に足を向けた。
「杉原さん! お待ちしてましたよー!」
店員は亜由美とも仲良しで同じようなジャンルが好きらしく話も合うし、時にオススメを教えてもらったりもする。
亜由美は笑顔を向けた。
「楽しみにしてたの」
「お取り置きしてありますよ。もー、今回もきゅんきゅんです」
「ね……ネタバレ禁止!」
慌てて亜由美が言うと、店員にくすくす笑われてしまう。
「了解です! 楽しんでください」