お願いだから、好きって言って。

　このメンバーで質問って……私、いる意味ないんじゃないかな……

「じゃあ俺からね！　双葉さんは、例の"好きな人"のこと、まだ好き？」



　雪崎くんはいつも、全部見透かしてるかのように核心に迫るような質問をしてくるから困る。


　こんなの……佐藤くんが隣にいるのになんて言えばいいの……


　正直、まだ好きだよ……隣に座るだけでドキドキするし、この気持ち……すぐに消せるわけない。


　でも……そんなこと、言えない。



「そんなこと、ない……よ、私じゃ……無理だから……」


　息が詰まりそうになりながらも、必死にそう言葉を紡ぐ。

「へー、諦めちゃうんだ。勿体ないね」


　雪崎くんは、佐藤くんが相手だとしても……臆することなく真っ直ぐに相良さんを好きでいれるの、すごいことだよ……


　私は諦めることしかできないから……


「じゃあ次、双葉さん佐藤に質問ね」
「え……あ……佐藤くん……というか2人は好きな人が一緒ってことで、いいんだよね？」


　私がそう問いかけると、佐藤くんは返答に困っているのか、言葉を選んでいるのか、俯く。

　私のことは気にしないで……ほんとのことを教えて……。



「うん。……それであってる」



　佐藤くんはキッパリとそう言い放った。