お願いだから、好きって言って。


 傷つくってわかってるのに……なんでこんな質問、しちゃうんだろう……
 違うって言葉を期待してるわけでもない、そんなこと、あるはずないから。


「じゃあ、次俺……?」
「そ、一吾の番ね」
「雪崎は、双葉さんのことどう思ってるの?」


 え、私……? もっと他に聞きたいこと、ないの……?
 行きのバスで何話してたか、とか……海で何してたかとか……


 でも、そんなの聞きたくないのか……
 私が佐藤くんの立場なら、絶対に聞きたくないもん。



「双葉さんのこと? 好きだよ?」



 なんの躊躇いもなくそう答える雪崎くんに、思わず言葉を失う。

 ちょ……どうしてそう言って誤魔化すの……?

 もしかして、あんまり聞かれたくない質問だったのかな? だって……雪崎くんがこうやってはぐらかすのは、聞かれたくない質問のときだし……



「雪崎くん……そんなこと、あんまり言わない方がいい、と思う……」
「あはは、ごめんごめん」

 雪崎くん……本当に何考えてるのか分からないから、たまに怖い……

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