お願いだから、好きって言って。

「じゃあ次俺ね!」


 楽しそうに質問を続ける雪崎くん。
 私は何を聞かれるのか気が気じゃない……

 佐藤くんに関することを聞かれると、本当に困る……それだけはやめて……


 そんな心配をしていると、雪崎くんは真剣な表情でこちらを見て口を開いた。



「双葉さん、俺のことどう思ってる?」



 それって……どういう意味……?
 佐藤くんじゃなくて、雪崎くんのこと……


 佐藤くんに関する質問じゃなくてホッとしたと同時に、たくさんの疑問が浮かび上がる。


 なんて答えよう……
 だけど、あの時話しかけてくれたことて助けられたのは事実で、感謝してるのは本当だから……



「雪崎くんは、困ってた時に助けてくれたから……とっても感謝してるし……素敵な人、だと思うよ……?」




「双葉さん優しいんだね、ありがと」
「ぜんぶ、本当のことだから……」


 雪崎くんはニコリと優しく微笑む。
 そんな表情、初めて見る……。雪崎くんってこんなふうに優しく笑ったりするんだ……



「……結局、2人って両思いなわけ?」



 そんなことを考えながら、ぼーっとしていると佐藤くんが思わぬ一言を放つ。


 両思い……? 私と雪崎くんが? 
 なんで……私、佐藤くんのことまだ好きなのに……


 そんなに、迷惑だったの……?
 ライバルの雪崎くんに、私とくっついてほしいのか、それとも……振った相手に未練持たれたくないから、雪崎くんとくっついてほしいのか……どっちなの?


 どちらにせよ……私は雪崎くんと……


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