お願いだから、好きって言って。


 それが冷たくて心地よかったのか、すぐに佐藤くんはフッと目を閉じて眠ってしまった。


 よっぽど辛かったんだろうな……
 でも、薬……飲んだのかな? せっかく寝たばかりなのに起こすのも可哀想だけど……


 熱、どれくらいあるんだろう……
 と、佐藤くんの顔をじっと眺める。



 相変わらず、まつ毛長いなぁ……
 こうやって無防備に寝てるとこなんて……何人の女の子が見たがるんだろう……


 整った輪郭に綺麗な鼻筋。閉じられた長いまつ毛にキリッとした眉毛。
 そして、ふわふわのいちごミルクみたいな髪の毛……



 ――やっぱり佐藤くんはいつ見ても王子様だ。




 熱のせいか、ほっぺは赤く染っている。
 少し汗もかいてて、辛そう。


 今だけ、今だけだから……



 その頬に、そっと触れてみたいと思うのは……ダメですか?




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