お願いだから、好きって言って。


 だけど……そんなことを考え、油断していると……



 佐藤くんの右手は私の頬に触れる。




 そして、一瞬で……2人の距離はゼロになる。




 わ、顔……綺麗……
 

 佐藤くんがいつも付けてる、苺の香水が思考をおかしくする。




 なんで、こんなに……近いの?




 そんな事をボーッと考えていると……





 佐藤くんの唇が、私の唇と重なる。





「ん……! 佐藤く、待って……」


 バッと距離を取ろうとするも、そのまま佐藤くんに腕を引かれ、ベッドに倒れ込む。


「いた……っ、佐藤くん……」


 佐藤くんの方を見ると、また目を閉じて眠っているみたいだった。





 寝ぼけて……キス、された……?





 相良さんと……間違えて? そんなの……そんなのってないよ……




 それに、そのまま寝るなんて……



 ドキドキとチクチクが混ざって……自分でも何が何だか分からない。



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