お願いだから、好きって言って。

「綾瀬さん、相良さんありがとう……」

 止まらない涙を拭いながらそうお礼を言うと、篠塚くんが口を開いた。

「そういえば、双葉さんと2人ってお互い、苗字をさん付けで呼ぶのなんで?」
「お前っ!」
「いって! おい一吾蹴んなよ!」

 佐藤くんは、友達出来なことないのを分かってるからか、気を使ってくれたけど……

 2人のこと……なんて呼ぶかなんて考えたことなかったかも。

「ぐすっ……そーだよ、あたしのこと、下の名前で呼んでよー……」
「え、てかうち、双葉さんのこと下の名前で呼んでいいの……?」


 緊張で心臓が飛び出そう。
 だけど……これを逃したら……

 ごくりと息を飲んで、ゆっくりと口を開く。


「……ゆに、ちゃん……と、花恵ちゃん……」
「うん! 深月って呼んでいい?!」
「なんか、照れくさいね。これ」

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