お願いだから、好きって言って。
「俺もサボりたいけど、篠塚がサボったせいで抜け出せねーんだよな……」
佐藤くんは深いため息をつく。
なにも、佐藤くんまでサボらなくても……
「でも、帰ってこねーってことは、上手くいったんじゃない?」
「そういうものなのかな……?」
「だから、暗くなる前に双葉さんも帰りな?」
そういうものか。と1人で納得して、佐藤くんに言われた通り帰る準備をはじめる。
「まだバイバイしてないのに、明日会うのがもう楽しみなんだけど」
え……? と顔を見上げると、佐藤くんは顔を真っ赤にしたまま目を逸らしていた。