お願いだから、好きって言って。
「お、お前ら……大丈夫か?」
ぜぇはぁと過呼吸直前になりながら集合場所に倒れ込んだわたしたちに、先生は驚きながら駆け寄ってきた。
「だっ、大丈夫……です……」
先生は「とてもそうは言えないけど」と言わんばかりに口をパクパクとさせている。
「と、とりあえず……綾瀬は一番前。双葉は……ここだ」
綾瀬さんは「またねー」と手を振ってくれた。
私は小さく礼をすると、先生に指さされた方へと向かう。
「……!」
――視界に飛び込んできた見覚えのある姿。
桜みたいに淡いピンクベージュの、髪の毛。
その、少し長い襟足が風にひらひらと流れる。
キリッとした眉、パッチリとした大きな目と長いまつ毛。
モデルさんみたいに高い身長で、誰よりも視線を集めている彼は……
中学が同じで、隣のクラスだった佐藤一吾くん。