お願いだから、好きって言って。

　ホッとしたと同時に、やっぱり私なんかは佐藤くんの視界にすら入ってなくて、住む世界が違うことを思い知らされた。


　けど……



　だけど……



　――なんだか、胸が苦しい。




　知られてなくて良かったって思うのに……知られてなかったことに傷付いてる。


　自分がこんなにめんどくさい人間だったなんて、知らなかった。




　私は一体どうしたいの？　


　こんな矛盾した感情、知らない……



　どうすれば……いいの、教えて？


「まー、一吾と釣り合う女子っていないもんな。そうじゃないのに好かれることしかないからな」


　男子の一言が、さらに私の心をえぐる。


　そっ……か。そうだよね……



　今私が抱いてる、この感情さえ、みんなの注目の的である佐藤くんにとっては邪魔なのかもしれない……